セキュリティを確保せよ | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

システムの開発や運用をしている会社での話。

あるシステムを利用する全てのユーザーに、新しくアカウント(ユーザIDとパスワード)を発行しようということになった。

それまでは、そのシステムを開発やテストで使う場合には、共通のアカウントが使われていた。誰もが同じユーザーIDとパスワードを使って、システムを使っていたわけだ。しかし、それではセキュリティ的に問題がある。これからはユーザーごとにアクセスを制御し、利用状況もログに記録しよう、ということになったのである。


しかし、発行されたユーザーIDとパスワードの一覧を見て驚いた(もちろん、一覧が閲覧できるのは限られた人間である)。ユーザーID は数字の連番、パスワードは、全員が同じ "guest" なのである。

例えば、私の ID が "005" なら、隣の席のNさんは "006" だ。Nさんのパスワードも "guest" だから、私はNさんのフリをして、そのシステムを使うことができる。ID を適当な数字にすれば、誰か知らない人になりすましてログインすることもできるだろう。

全てのユーザーが、発行後すぐに自分のパスワード変更するという前提なら、このような運用でも、問題はないのかもしれない。しかし、実際にはそんなことは望めない。しかも、このシステムでは、自分のパスワードを変更することができない(管理者に申請するしかない)のだから、なおさらである。


言うまでもないことだが、セキュリティはシステム(仕組み)だけでは確保できない。人間がその仕組みをどう使うかが肝心なのである。

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柴原 健次 ITセキュリティ研究会 藤谷 護人 宮崎 貞至
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