コンピュータに興味がないプログラマ | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

あるプロジェクトで一緒になったプログラマに、「コーディングってなんですか?」と聞かれたことがある。

この業界で「コーディング」といえば、プログラムのソースコードを書くことである。「プログラミング」と同じような意味と思えばよいだろう(※1)。

彼は何年も経験を積んだプログラマだったし、私達はあまりに日常的に使っている言葉だったので、それが通じなかったことはショックだった。

おそらく、彼がそれまで働いてきた職場では、たまたま「コーディング」という言葉が使われなかったのだろう。


同じ人物には、「CGI ってなんですか?」とも聞かれた。

「CGI」は、一般的には、Web ブラウザから呼び出され、Web サーバ上で動作するプログラムのことである(※2)。

システム開発者業界の人間でなくとも、「ネット」にちょっと詳しい人なら知っているだろう。少なくとも、プログラマなら「常識」の範囲に入る言葉だと思うのだが。。。

とはいえ、同じシステム開発業といっても、Web 系のシステムを全く扱わない「職場」では、「CGI」という言葉が使われる機会がないのも事実である。

おそらく、彼は、プログラミングに関する知識を、自分の「職場」からしか吸収してこなかったのではないだろうか。


コンピュータに興味がないプログラマというのをときどき見かけるが、彼もそういった部類の人物のようであった。コンピュータやプログラミング自体に特に興味がないので、実務に必要な知識しか吸収しないのである。

もちろん、それが悪いというわけではない。自分の職場の中できちんと仕事をこなしていれば、誰にも文句をいわれる筋合いはない。

しかし、プログラマというものは、いつ、別のプロジェクトの応援に回されるか分からない。実際、彼もそうして駆り出されたのである。しかも、そんな時は「即戦力」として期待される。

また、そのようなことがなくとも、この世界の変化は速いのだ。慣れ親しんだ「職場」にも、いつ新しい技術が導入されるかわからない。

そんな時、実務から得られた知識だけでは、即座に対応できないだろう。井の中の蛙とならず、少しは「大海」の情報を集めておくことも必要なのではないかと思うのだが。




※1 コーディングとプログラミング
実際には微妙にニュアンスが違う→ e-Words

※2 CGI (Common Gateway Interface)
厳密には、プログラムを呼び出すための仕組み(インターフェース)のことだが、日常的にはプログラム自体を指す場合のほうが多い → e-Words



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