黄金比とは「人間が最も美しいと感じる」といわれている比率です。まずは黄金比とは何のことなのか、確認していきましょう。
黄金比を示す数式
黄金比は、古代ギリシアの数学者エウドクソスが最初に発案したといわれており、近代になって「黄金比」と名付けられ、現在に至っても使われ続けている概念です。数式で表すと、次のようになります。
こうして見るとわけがわかりませんが、近似値では「1:1.618」、「5:8」という比率になります。これならわかりやすいでしょう。
つまり、長方形の縦が1であれば、横が約1.618となり、この比率であれば、ほぼ黄金比と言えるというわけです。
単純な例で言えば、縦が1cm、横が1.6cmの長方形があったとします。これはほぼ黄金比であるといえるでしょう。
この黄金比で作られた長方形のことは「黄金長方形」と呼ばれています。黄金比は、世の中にある多様な場面で広く活用されています。黄金比は、特にヨーロッパでは古くから最も美しい比率として親しまれており、美術品に活用されてきました。
たとえば、著名な彫刻、ミロのビーナスや、歴史的建造物といわれるパリの凱旋門、ギリシア遺跡 パルテノン神殿などにも、黄金比の比率が使われているのです。
なぜ黄金比を美しいと感じるのか
なぜ黄金比は長年評価されてきたのでしょうか。それは、人間の感覚にとって最も美しいとされてきたためです。
黄金比は「安定した美しさ」「調和の取れた美しさ」などと表現されるように、人間にとって魅力的でバランスのいい比率であるといわれています。なぜ黄金比が美しいのかという点については、まさに神秘の世界と考えられています。