「人を動かす」 の 「人を変える九原則」 の
「6.わずかなことでもほめる」 を抜粋して紹介します。
心理学者のジュス・レアーは次のように書いている。
「ほめことばは、人間に降りそそぐ日光のようなものだ。それなしには、花開くことも成長する事も
できない。われわれは、事あるごとに批判の冷たい風を人に吹付けるが、ほめことばという
暖かい日光を人にそそごうとはなかなかしない」
わたしの過去にも、わずかなほめことばでわたしの人生がすっかり変わった経験がある。
だれにでも、これと同じような経験があるのではないか。人間の歴史は、ほめことばのもたらす
魔法の例に満ち満ちている。
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子供をほめることでの成果についての例が多く書かれています。
しかし大人にも有効であることも多く例が書かれていますし納得できます。
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・・・これを子供たちに応用した。
世間には、父母が子供たちをどなりつけるのが、おもな対話になっている家庭が多い。
親子のやりとりがあるたびに、子供たちは良くなるよりも逆にひどくなっていき、とめどがなかった。
「妻とわたしは子供たちの悪いところをとがめるのはやめ、良い天をほめてやることにした。
ところが、目につくのは悪いところばかりで、ほめる種を探し出すのは大変だったが、
苦労のあげくどうにか、ほめてやる点を見つけ出した。
すると一両日中のうちに、どうにも手に負えないようなことだけは、やらなくなった。
やがて、ほかの問題点も次々と姿を消していった。
子供たちは、ほめことばを受け止め、長所を伸ばす努力をしはじめた。
妻もわたしも、自分の目を疑った。
もちろん、そういった向上はどこまでも続くわけにはいかないが、とにかく、以前にくらべると
余程良いところまで到達した。
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だれでもほめてもらうことはうれしい。
だが、そのことばが具体性を持っていて初めて誠意のこもったことば、つまり、ただ相手を喜ばせる
ためだけの口先だけのものではないことば、として相手の気持ちをじかにゆさぶるのである。
われわれには、他人から評価され、認められたい願望があり、そのためにはどんなことでもする。
だが、こころのこもらないうわべだけのお世辞には、反発を覚える。
重ねていう。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果をあげる。
小手先の社交術を説いているのではない。新しい人生のあり方を述べているのである。
人を変えようとして、相手の心の中に隠された宝物の存在に気づかせることができたら、
単にその人を変えるだけでなく、別人を誕生させることすらできるのである。
心理学者であり、哲学者でもあるウィリアム・ジェームズのことば。
「われわれのもつ可能性にくらべると、現実のわれわれは、まだその半分の完成度にも
達していない。われわれは、肉体的・精神的資質のごく一部分しか活用していないのだ。
概していえば、人間は、自分の限界よりも、ずっと狭い範囲内で生きているにすぎず、いろいろな
能力を使いこなせないままに放置しているのである。」
これを読むあなたも、使いこなせず宝の持ち腐れになっている能力を種々そなえておられるのだ。
批判によって、人間の能力はしぼみ、励ましによって、花開く。
人を変える原則 6
わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる。