徹夜で行列を作るiPad購入者に見る「文明への飽くなき憧れ」 | SOTOBORI STREET EYE!~赤坂外堀通りで働く広報コンサルタントの視点~

徹夜で行列を作るiPad購入者に見る「文明への飽くなき憧れ」

販売数が世界で200万台を突破したというニュースを受け、iPadに興味を示しはじめた山本です。


さて、先週の土曜日、六本木ミッドタウンで行われているある展示を見てきました。

世界を変えるデザイン展
@東京ミッドタウンデザインハブ

5.15.sat→6.13.sun

11:00-19:00

入場料無料


この展示では、発展途上国に住む人々が直面する様々な課題を解決してきた”デザイン”(プロダクト)を紹介しています。

water、food、energy、health、housing、mobility、education、connectivity
という8つのセクションに分けて展示されています。

プロダクト自体も思わず目を引く面白いものが多く、また、見せ方(展示プレート、廃材を研磨して作られた展示台、ライトetc...)というところもすばらしく、勉強になることが多かったです。

広報パーソンとしては、イベント等での製品の見せ方、日々の企画書・資料作成におけるデザイン力やレイアウト力が求められるわけですが、こういった展示にも美的センス向上のヒントが隠されているように思いました。

展示については、ここで全部を紹介したいくらいですが、私が一番時間を費やして見学したという意味で印象に残っているプロダクトを紹介します。

「トレッドルパワー(Treadle Power)」。


HITOTSUGI STREET EYE!~赤坂一ツ木通りで働く広報コンサルタントの視点~

一見、昔の足踏み式ミシン。
ひたすら足踏みをして、発電させるというなんとも原始的な製品。
素材は、車の廃材であるモーター、バッテリー、足踏みミシンに、机。

九州大学のアシル・アハメッド教授とRicohの有志による2010年の発明と言うので驚きました。

山岳地帯で電力が届かない地域の人々などが使うそうで、足踏みしながら、勉強机を照らすライトとして使うもよし、携帯電話や電化製品の充電用途とも紹介されています。

実際に私も足踏みに挑戦してはみたものの、1分間に13.4Vを発電させればライトが点灯するところが、一度も点灯することなく汗をかいて終わりました。


この労力を費やしてまで電子端末を使いたいという想いは、徹夜で行列をつくったiPad購入者の方々の想いに匹敵する、いやそれ以上のエネルギーなのではないかと思いました。

携帯電話の充電用といっても、そもそも電力の届かない地域に携帯電話の電波は届くのか、など疑問は残りますが、iPadの行列にしても、足踏みミシン型発電機にしても、人類の「飽くなき文明への憧れ」は状況は変われども常にあり続けるものなのですね。


山本