そして、
空いている建物が多い——出店余地がいくらでもあるっ!
そう、この点。
自宅兼オフィスで感じていた、人の出入りのなさ。
それを解消すべく、いろいろなお店が増えていける舞台はあるわけです。
そこで、日々自主工事のために通いながら、
自分がここで毎日働くにあたり、「ほしい状況」を妄想す原状回復工事
るようになりました。
「おいしいランチを食べたい」
「息抜きにコーヒーを飲みたい」
「ほっとするデザートが欲しい」
「仕事帰りに買える、お惣菜があるといい」
なによりも、私は寂しい自営業者。更には、なかなかの出不精。
「志はあれど、日常でそれを共有できる仲間が近くにほしい」
こんな自分勝手なことを、もくもくとペンキを塗りながら考えていました。
ようやくオフィスが使えるようになり、業務も落ち着いてきたところで妄想を実行に移しました。
まずは、言いふらし。
「あんなんがほしい」「こんなんがほしい」と、会う人会う人に伝え続けました。
数か月経った頃に、
知り合いから「宇都宮市内に移転を考えているカフェがあるよ」との情報が。
私はすぐ高速に乗り、その店へ。
普通のお客を装い、時間を過ごしました。
あぁ、こんなの近くにあってほしい……。
ほどなくして誘う決意をしたものの、その気持ちを抑えつつ他のお客さんが帰るのを待ち、
帰り際のレジにて気持ちを打ち明けました。
うぅ、なんか恥ずかしい……なんだろ、この感情。告白……?
初対面なのにいきなり「うちに来ないか」って……
しかしそんな葛藤も杞憂に終わり、「来週伺います」と、なんともあっさりした答え。
しかし困った。実はもみじ通りにはその時点で賃貸できる物件がなかったのです。
まあいいや、まずは見てもらおう。通りの雰囲気を肌で感じてもらいながら、
私の感じた、この通りのポジティブな面を共感してもらおう、と腹を決め当日を迎えました。
小1時間程度、通りを一緒に散策しながら想いを伝え、
空いている”だけ”の建物を探し、紹介しました。
どうやら、なぜやら共感いただけたようで、
通りの落ち着いた雰囲気が自分に向いている、と感じてもらえたようでした。
さて、そこから貸してくれる大家さん探し。
3つの建物を散策中に目を付けていましたが、そのうちふたつは貸す気が全くない、オフィス原状回復
との返事。
当社オフィスの3件隣にある最後のひとつは大家さんがどこにいるかわからない。
近所の方に相談すると、
ごくたまに風通しに親戚の人が来るらしいという噂をききました。
しかしいつ来るかわからない。
そこで置き手紙をポストに適度なペースで入れる、
というなんともアナログな作戦をとりました。
—2か月後、大家さんから電話が来ました。
うれしさよりも「あの置き手紙だけで、来るんだ、連絡」という驚きが正直な感想。
大家さんは、一体なにがしたいんだ、という感じでした。
電話口でしたが、溢れる想いを伝えたところ、
半ば呆れ気味に、ともかく会ってくれることに。
1週間後、件のカフェオーナー藤田さんを予告なしに連れて行き、2人掛りでとにかく説得。
熱意に負けたのか、しつこかったのか、なんとか貸してくれると言ってくれました。
ともあれ2010年の夏、ようやく2店舗目が決まり、
カフェ食堂「FAR EAST KITCHEN」がオープンしました。
これまでの実績、もみじ通りにピンと来てくれた感覚、
ツーカーの工務店との関係が既にあったので改装はオーナーさんにて行なわれ、
「もともとここにあったようなお店」のように仕立てられました。
工事中にすでに通りがかりの人に
「いったい何ができるのか」「まさかここでお店をやるのか」
といった反応がむしろ良い口コミ効果を呼び、
オープンの頃には結構知られたお店になっていました。http://area-osaka.jp/chuuiten/
