「アスペルガー症候群(現在は一般にASD=自閉スペクトラム症の一部として扱われます)の人は騙されやすい」と一括りにはできません。ただし、特定のタイプの詐欺・人間関係上の欺瞞に弱くなりやすい要因はいくつかあります。

1. 「人は基本的に嘘をつかない」と考えやすい

ASDの人の中には、言葉を比較的文字どおりに受け取る傾向があります。

たとえば、

> 「今度必ず返すから、お金を貸して」
と言われたとき、

「本当に返すつもりなのか?」

「この人は過去にも同じことをしたのか?」

「返さない場合のリスクは?」

よりも、言葉そのものの意味を信じて判断してしまうことがあります。

これは「頭が悪い」ということではなく、むしろ相手が発言を故意に歪めている可能性を最初から強く疑わないという傾向です。

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2. 「裏の意図」を読むのが苦手な場合がある

詐欺や悪意のある人間関係では、表面的な言葉と本当の目的が違います。

例えば、

> 「あなたのことを思って言っているんだよ」

という言葉の裏に、

> 「あなたをコントロールしたい」

という意図が隠れていることがあります。

ASD傾向がある人では、相手の表情、声色、状況、過去の行動などを総合して「本当の意図」を推測することが負担になる場合があります。

そのため、

言葉 → 意味

という処理は得意でも、

言葉+表情+状況+過去の行動 → 本当の意図

という処理が難しいことがあります。

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3. 「善意」と「悪意」の区別が難しい

これはかなり重要です。

一般的な対人関係では、

「この人、親切だけど何か変だな」

という微妙な違和感から警戒することがあります。

ところがASDの人の場合、

親切にしてくれた

丁寧に説明してくれた

論理的に話している

自分と共通の趣味がある

専門知識がある

など、相手が提示した明確な情報を評価しやすい一方で、

「なぜ、このタイミングでこんな親切をするのか?」

という社会的文脈の評価が後回しになる場合があります。

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4. 「権威」に弱いというより、論理的な説明に納得しやすい

例えば詐欺師が、

> 「この方法なら法律上問題ありません」

「専門家もそう言っています」

「契約書にもこう書いてあります」

と説明してきた場合です。

ASD傾向の人は、論理的に整った説明を非常に重視することがあります。

しかし詐欺では、

論理的に聞こえる説明=真実

ではありません。

詐欺師はむしろ、相手を信用させるために非常に論理的な説明を作ります。

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5. 社会的経験の「パターン認識」が遅れることがある

これはかなり大きなポイントです。

人間関係には、

> 「このタイプの人は、こういうことを言った後にこういう行動をする」

という経験則があります。

例えば、

過剰に褒める → 急速に親しくなる → 秘密を共有させる → お金や便宜を求める

というパターンです。

経験豊富な人なら、

> 「あ、このパターン以前にもあった」

と気づくことがあります。

ASDの人でももちろん学習できますが、経験則を意識的に言語化しておかないと、その場では気づきにくいことがあります。

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6. 一度「この人は信用できる」と判断すると、判断を変更しにくいことがある

ASDでは、物事を一貫したルールで理解しようとする傾向があります。

そのため、

> 「この人は良い人」

と判断した後に、

「実はこの人、あなたを利用しているかもしれない」

という新しい情報が入ってくると、最初の判断との矛盾を処理するのに時間がかかる場合があります。

逆に、

> 「この人は信用できない」

と判断すると、今度はその判断を維持しやすいこともあります。

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ただし、面白いことに「騙されにくい」側面もあります

ここが重要です。

ASDには、詐欺に弱くなる可能性のある特徴だけでなく、詐欺を見抜くのに有利な特徴もあります。

例えば、

細かい矛盾に気づく

発言を正確に記憶する

数字や契約条件を細かく確認する

「前と言っていることが違う」と気づく

感情に流されにくい

論理的矛盾を発見する

一度決めたルールを守る

などです。

したがって、

「ASDだから騙されやすい」

というより、

> 「人間の心理を利用するタイプの欺瞞には弱い場合がある一方、論理的矛盾や証拠を確認するタイプの詐欺には強い場合がある」

と考えたほうが正確です。

特に危険なのは「人間関係型」の詐欺

ASDの人が警戒したほうがいいのは、単純な計算ミスを利用する詐欺より、

「あなたを特別扱いする」

→「あなたを信用させる」

→「あなたに罪悪感を持たせる」

→「断りにくい状況を作る」

→「要求する」

というタイプです。

これは論理だけでは判断しにくいからです。

逆に言えば、ASD傾向がある人は、「相手の言葉を信じるかどうか」ではなく「相手の行動を証拠として評価する」ルールを作ると、かなり防御力を上げられます。

例えば、

> 「親切だから信用する」のではなく、「過去に約束を守った実績があるから信用する」

> 「説明が論理的だから信用する」のではなく、「第三者の資料でも確認できるから信用する」

という判断方法です。

これはASDの論理性・ルール志向を、対人関係での防御に利用する方法でもあります。

参考URL
https://hattatsu.go.jp/topics/topics-pragmatics1/?utm_source=chatgpt.com

https://ag-counseling.com/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E3%80%90%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%80%91

自閉症、表情より言葉重視 東大、関係する脳の領域特定:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG23009_T20C12A6CR8000/?n_cid=dsapp_share_android