◇東前頭2枚目で迎える秋場所12日。




稀勢の里寛



◆自分の体勢から下手投げを食い8敗目!巻き返しの場所も2場所連続の負け越し!


▽両国国技館(25日)


 東前頭2枚目            西前頭4枚目

●稀勢の里  下手投げ(5─2)  栃乃洋○

 4勝8敗               4勝8敗


[この一番をチェック]

 惜しい相撲も2場所連続の負け越しが決定してしまった。

 復活の場所と私は見ていたのだが、ますます迷路に入り

 込んだ内容の相撲が続いている。

 非常に心配だが、なんとか気持ちを立て直して奮起しても

 らいたい。


 立ち合い。

 稀勢の里が右から思い切って踏み込んで、上手を引く。

 栃乃洋より一歩ぐらい前に踏み込んでいた。


 左はのぞく(下手が取れない)体勢で右上手(相変わら

 ず深く一枚廻し)から強引に前に出るも栃乃洋の豪快な

 左下手投げに体が宙を舞う。


 2場所連続で栃乃洋の鮮やかな「左下手投げ」を食い、

 痛い星を落とす。

 勝てば勝ち越しの望みも十分あっただけに、本当に悔や

 まれる大きな一番になってしまった。


 土俵を下りて、花道を引き上げる時の首をかしげる姿が今

 場所の不調を物語っていた。


[今日の敗因は?]

★立ち合いの「踏み込み」は抜群だったのだが…。

 今場所一番の踏み込みから右上手を取った。

 相撲の流れは良かったように思うが、いつも言われ

 ている上手が深く相手に圧力が十分伝わっていな

 いところに、今日の一番の敗因があるのではないか。


★相撲に緻密さが見れない。

 栃乃洋の左下手投げが強烈なのは十分頭にあったとは思う

 が、2場所連続で同じ技を食う。

 もう少し、相手の相撲を研究する必要が大いにあると改めて

 感じた。 


 十分な形を作れていないのに強引に攻めて墓穴を掘る相撲

 が、時たま顔を覗かす。

 この辺りにも、相撲経験の浅さがまだまだ垣間見える。


★気持ちに粘りがないように感じる。

 実は先場所、今場所と一番の心配がこのことである。

 負けが込んでる、自分の納得する相撲が取れていないこと

 もあり、そういうふうに見えるのかもしれないが、相撲に覇気

 がないように映る。


 稀勢の里の魅力は「気持ちの強い」ところでもある。

 この部分を忘れてしまうと、稀勢の里の魅力が半減してしま

 う。


 稀勢の里の相撲人生はまだまだ始まったばっかりである。

 腐らず前に前に先を見据えた相撲を取ってもらいたい。


[編集後記]

 早々と負け越してしまいました。

 場所前は「復活」場所と位置づけていたので、かなりガックリ

 としています。


 地力は既に大関級と思っているので、先場所の悔しい思いを糧に

 して、やってくれると確信していたのですがねぇー。

 今年中に大関昇進も夢ではないと思っていたのですが、これで完

 全に一から何もかもやり直しの苦しい日々が始まりそうです。


 この大きな分厚い壁をブチ破るのは並大抵ではないと思いますが

 、稀勢の里関ならやってくれると願っています。


 残り3日間!

 13日目と千秋楽に観戦に行きます。

 本来の前に出る攻めの相撲を見たいです。

 しかも、ライバルの豊ノ島、安馬戦が組まれそうです。

 勝敗を超越した攻防のある熱戦を大いに期待したいです。


 ちなみに13日目は負け越し同士の時天空戦です。

 合口から言って確実に勝ちたいところです。

 なんとか今場所観戦初白星をお願いしたいです。


 ではではいつも更新が遅いですが、最後まで付き合ってい

 ただければ最高に嬉しいです。