私自身、最近は小中学生だけでなく、高校生の数学を担当することが増えたことで、より強く感じていることがあります。
それは、「内容の抽象度が高いゆえに動機づけも更なる工夫が要るなぁ」ということ。
まあ高校生ともなれば「なんでこんなこと勉強するんですかー?」なんていうことを言わず大人な態度(笑)で受け入れている人が多い。
でも逆にそれは、「これに何の意味があるの?」という素朴な疑問を生まない受け身状態をつくり、そして究極は「とりあえず公式覚えて解けりゃいいんでしょ」みたいな悲しき‘試験のためだけの勉強’に行き着くのは火を見るより明らかですよね(かく言う私も高校生の頃の勉強はそういうフシがあったなぁと自戒を込めて)。
以前に述べた通り、数学の内容が、ある一定のライン以上に内容が高度になった場合は「やりたい人がやればいい」というのが私の持論です。
でも高校1~2年生の内容であれば文系・理系問わず避けては通れない部分もあるので、少し具体的な‘それを学ぶ意義’を、あくまで個人的見解ですが…触れてみたいと思います。
すでに数学とは無縁になっておられる諸先輩方も、昔を振り返りながらご一読いただけると幸いです。
今回は…三角比(三角関数)のお話
はい、そうです。例の「サイン、コサイン、タンジェント」ってやつです。
ああ、あの「咲いた咲いたコスモス…ん?咲いたコスモスコスモス…だっけ?」と、いま心の中でつぶやきましたね?(笑)
これは高校1年生で学ぶ「三角比」。これ、頭の柔らかい若人たちでも、最初は非常に理解が悪い場合が多いんです。
その理由は簡単。今までにない概念だからです。
中学時代の発展編と言えるような単元ならば、その延長としてすぐ理解できるかもしれませんが、そうではない。
例えば初めて「√」の記号の意味を学んだ時、とりあえず意味はわかったけれど慣れるまでには時間がかかったという、あの感覚と似ています。
三角比なんて、とっくに忘れてしまったよ!という人のために、最も基本であるルールの確認です。
要するに、基本としてはどれも「直角三角形の辺の比」を表していることになります。
もっと噛み砕いて言うと、例えば はcをaで割ったものなので、「cの長さがaの長さの何倍になっているのか」という意味を持っているわけです。
ちなみにこれは、あくまで基本中の基本ルール話であって、角度θが90度以上になってしまった場合はどうするのか、といったことまで対応している拡張ルールもあります。
その拡張定義を書かせる問題が、かつて東京大学の入試問題にも出たこともあるんです。でもとりあえず今は基本ルールの確認にとどめておきます。
こんなふうに直角三角形の辺の長さどうしの関係をわざわざアルファベットまで用いて表現し直す意味って何?カッコつけか?
といった感じで、教えられたことを鵜呑みにしないで、まずは素朴な疑問を持ってほしいものです。
ただ、この疑問に対して理系の諸先輩方が返答することがらには、私自身が高校生の頃からイマイチな感じを抱いていました。
要するに「主に物理学で大活躍する」というのです。
確かにごもっともで、力学では「円運動」や「振り子運動」、そして‘波’の性質はそれこそモロに三角関数そのもので記述されるので「波動」「電磁気学」では欠かせないわけです。
でもなあ…そもそも物理って学生にとって一番と言ってよいほど難解な学問領域じゃないですか。
そこに落としどころを持っていかれたところで「ハハぁ~~」って敬意を表すぐらいしかリアクション出来ないんですよね、実際。
だから、「だったら物理の授業でやればイイじゃん」みたいな意見もアリと言えばアリかもしれません。
しかし私が思うに、三角比(三角関数)という概念を導入することは、単に工学的に利用できるとか、自然法則を記述できるとかいう以前に、純粋に数学の世界を広げる素晴らしい手段なのです。
次回は具体的にその意味を述べたいと思います。
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