最近の子どもたちの遊び道具を見ると、一昔前とはずいぶん変わったなあと感じます。カードゲームなどは昔よりも工夫されて、大会なども開かれているようですね。でも、もっと進化したものと言えば「テレビゲーム」です(※またゲームの話題か…と思われた方、今回は別の話です)。
家庭用ゲーム機の性能が格段に上がったのはもちろん、最近ではスマートフォン用のアプリもよく出来ていて、重力を認識して本体を傾けたりしてプレイヤーをコントロールするものもあります。
中学生でもスマートフォンを持っている子が多く、ゲーム以外でも電子辞書や便利な検索ツールなどが身近にあることで、「体感」から仕組みを理解する経験が少なくなっているのではないか、と私なりに危惧を覚えているのです。
例えば昔は外遊びも多かったし、オモチャにしても、子どもたちなりに構造を理解できるものがほとんどでした。例えばぜんまい仕掛けのミニカーや、野球盤など。たとえ故障してしまったとしても、中を開いてみて何が原因なのかをつきとめて自分で修理したりもしましたし、無目的に分解することもしばしばでした。
そういう体験から、何となく物理法則を理解したり、力学的な感覚を知らず知らずのうちに身に付けたように思います。しかし先に述べた通り、今はあまりにもオモチャが進化しすぎてしまい、感覚レベルで理解できなくなっているのが現状です。
私が授業で子どもたちを教えていると、特に理科の授業で‘感覚的な話’が20年前ぐらいに比べて通じにくくなっています。
例えば図のように「人が体重計に乗って、滑車を用いて重い荷物を持ち上げる」という状況を考えます。このとき、「荷物を持ち上げると、体重計の目盛はどのように変わるか」というもの。例えば体重70kgの人が20kgの荷物を持ち上げたら、体重計の目盛りは最初の70kgから増えるのか、減るのか、はたまた変わらないのか…。
では、答え合わせはまた来週!