作・絵 マリー・ホール・エッツ
訳 まさき るりこ
ペンギン社
小さいこどもの頃のことは、わたしは記憶力が弱いもので、あまり憶えてないのですが、家の回りや、近所の林の中のことはやけに憶えています。
山の中に入っていったら大きな黄色い夏みかんがなっていたのを鮮明に憶えていたりします。
近所に溜池があって、その暗い水面もよく憶えています。
そういう楽しいときは、なぜか一人なんですね。
さびしいという気持ちはまったくありませんでした。ものすごく楽しいのだと思います。
自然と触れていることが何より楽しかったんですけど。こどもがみんなそうだとはいえませんけどね。
それで、このマリー・ホール・エッツの『あるあさ、ぼくは…』では、こどもが一人で楽しそうに動物に話しかけて、動物の真似をして、四つ足で歩いたりします。モノクロームの絵のなかで。
動物たちは家にいる猫やニワトリやブタや牛などですけど、のんきなもので、とくに返事もしないで、いつも通りです。
前に同じエッツの『もりのなか』をご紹介しましたが、あのときのようなライオンなどはでてきません。
ただ、こどもが夢中になっているのはおなじです。
こどもにはこういう経験をしてほしいと強く思います。どういう経験かって、なんにもやることがなくて、ただ、楽しんでる時間ですよ。
それで、一生、強烈な印象を残すようななんでもない経験です。
ぼくは動物の真似をします。
もう自然と一体となるような行為と言えないかな?
チベットの僧にそういう修行があるらしいけど。(昔、宗教学者の中沢新一さんの本で読んだぞ)
世界と一体になりたい。
その橋渡しに絵本はなるんじゃないかな?
なんだか、暑くなったり、寒くなったり、落ち着きのないお天気ですが、風邪などひかないようにしてくださいませ。
わたしはなんか喉が痛くなったので、ハーブティーを飲んだり、プーさんみたいにハチミツを舐めたりしています。
ごきげんよう。o(^o^)o

