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『石井桃子談話集 子どもに歯ごたえのある本を』
河出書房新社
絵本を読むときにこどもは、その絵本を誰が書いたかなんて気にしませんね。
うさこちゃんだったら、うさこちゃんでしかないわけで、うさこちゃんの絵本を読んでるのがあたりまえです。
ただ、あまり気に入ると、作者の名前を覚えて、ブルーナの絵本はいいみたい、となって、作者名で探します。同じ装丁だとすぐ見つかります。
うさこちゃんの場合、ミッフィーと名前が変わっているのを見つけることになります。
また、中の文章の感じも少し違うのも気になるのではないかな。
わたしは気になった。まあ、親になってからですが。そもそもこどもの頃は絵本を読んだ覚えがありません。
それで、どうも石井桃子さんの訳がいいな、と思ったわけです。
本当に短い簡単な文なんですが。
いや、その比べた訳は『魔女の宅急便』の角野栄子さんなんです。ちょっと洒脱なイメージの人で若々しいんですけど。文章が生き生きとしています。
この方もすごいです。国際アンデルセン賞も受賞されました。
ただ、石井桃子さんの静けさとやさしさ、深み、とは違います。
書体も明朝体から丸ゴシック体に変わってることの影響もあります。
石井桃子さんてどんな人だと思ったら、まあ、すごいです。日本の絵本文化をつくった人です。2008年に101歳で亡くなられました。
『クマのプーさん』『うさこちゃん』シリーズ、『ピーターラビット』シリーズを翻訳。
今回、対談やインタビューを集めた『子どもに歯ごたえのある本を』を読みました。
この中で、特に印象に残った話としては、昔話が子供の絵本の基本になっているということ。
むかし、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんはやまへしばかりに、おばあさんはかわへせんたくにいきました。
というように。
心理描写も固有名詞もない骨組みだけで伝えることができないといけない。
わたしが好きで相当読んだ作家 大江健三郎さんとの対談でもその点を強調していた。
大江さんの息子さんの光さんは、家ではプーちゃんと呼ばれていた。
脳に障害をもって生まれ、言葉より鳥の鳴き声に興味を示し、後に音楽を聴き、作曲をするようになった人。
大江さんの重要な小説『新しい人よ目ざめよ』ではイーヨーとして登場する。
石井桃子さんの翻訳がいかに自然に深く浸透していることか。
結婚はされなかった。自立した人として自由に生きることしか考えられなかった。家庭に入って古いしきたりに求められるような嫁にはなりたくなかった。戦前に日本女子大を出ているが、教師はできないと思った。学校の上からおしつけるようなやり方は嫌だったんじゃないだろうか。しなやかに、こどものようにまっすぐに本質だけを見つめて101歳まで生きた。
すごいなあ、と思いました。\(^o^)/
バラがもうすぐ咲きますよ。
ありがとう。

