遺構をフォトグラメトリたい…!
これまで遺物のフォトグラメトリを紹介してきましたが、発掘現場において遺構のフォトグラメトリもよく使われるようになってきました。
調査区全体のフォトグラメトリともなればドローンが必要になりますが、頑張れば一脚でもなんとかなります!
今回は遺構や調査区など広い場所をフォトグラメトリする方法を解説します。
ちなみに、僕がかかわった調査では一脚を使って調査区全体や土坑の記録をしています。
(画像はぼかしてあります)
図1 調査区全景のフォトグラメトリ例
この内容についてはここら辺が参考になります。
僕もデータサイエンスサロンに参加し、轟さんの発表を参考にさせていただきました。
階段をフォトグラメトる
とりあえず、手っ取り早く見せれるところにピットなんてなかったので、近くにあった階段を三次元計測しに行きました。
今回使ったのは、一脚とEOS kissMとスマホです。
図2 一脚(これは170㎝くらい?)
で、カメラを先端につけます。
カメラの角度は真下より30~45°持ち上げた角度がいいと思います。
図3 カメラの取り付け角度
これを持って撮影するので、高さは2~3mほどになります。
2、3歩歩いてはシャッターを押し、また2、3歩歩き…、奥まで行ったら折り返してまた歩き…、という感じでどんどん写真を撮っていきます。
でも、シャッターはどうやって押すのか?
通常でしたら、リモートシャッター(リモコン)などを使えば良いのですが、僕のEos kissMはスマホアプリからリモートシャッターができたので、それを利用しています。
さて、今回撮影したのはこちらのどこにでもある階段です。
図4 撮影した階段
今回はこの階段の左右を行ったり来たりして撮り、metashapeで処理しました。
今回は処理を省略します。
PDFに出力する
さて、今回はメッシュまで構築しましたが、これをPDFに出力します。
PDFに出力すれば多くのPCで3Dを閲覧できます。
まず、「ファイル」から「エクスポート」、「モデルをエクスポート」を選択します。
図5 PDFでエクスポート
次に、お好きな場所で、PDFを指定して保存します。
これだけです。
図6 PDFを指定
出来上がったPDFを開くとこんな感じです。
今回は色を含めずに出力したので、青一色です。
PDFはコチラからダウンロードしてください。
(PCから開いてください)
図7 PDFを開いたときの様子
- 左クリックでくるくる回せます。
- 左右を同時にクリックしたままドラッグすることで中心を移動できます。
- マウスホイールで拡大・縮小できます。
- PDFを開くときに許可を求めらることがあるので許可してあげてください。
PDFで出力できれば、離れたところにいる人に3Dで色付きで伝えることができるため、調査について助言を得やすくなるでしょう。
まとめ
今回は一脚を使って階段のモデリングを行いました。
さらにそれをPDFで出力しました。
文化財で実際に使うためにはどちらも大事な技術なのでぜひマスターしてください。