「早一級の腕前 挿花を習うカー軍属」

日本に駐屯しているアメリカのGIや軍属の中には日□趣味の生花・お茶(の)手前(に)興味をもつものが多くなってきたといわれるが鳥取軍政部の軍属ゼームス・カー氏(24)もその一人である、同軍属はもと県の渉外局長だった現県秘書課長上根政幸氏の紹介で鳥取市東町の小原流家元吉村菊枝さんにつきたくさんの日本のお嬢さんたちとともに毎週土曜日の午後畳の上に坐りすでに今日まで3ヶ月の長い間挿花を習ってきた、ノートまでとるという熱心さが報いられたのか上達も早く、近く帰米するカー氏のために二、三両日鳥取市東町仁風閣で小原流挿花会が開かれたが同氏も自作を出品しお師匠(の)吉村さんから「一級ぐらいの腕前はあります」とほめられた、カー氏はペンシルバニア州の出身で同地のバックネール大学(※Bucknell University)新聞科に籍を置いており将来ジャーナリストになるつもりでいるそうだが日本が好きで在学中にもかかわらずわざわざ軍属を志願して来たもの、3日仁風閣での挿花会に顔出したカー氏は自分の作品をのぞき込みながら「生花に(は)それを作った個々の人の感情の流れが必ずあらわれ、花を生ければ生けるほど簡単なようでとてもむつかしい」と語った【写真は自作の挿花に見入るカー軍属】