
浅間山の紅葉を楽しんだ翌日、浅間山の麓にある小諸城跡を散策しました。
まずは小諸駅前にある停車場ガーデンを通って大手門へ。

この時期、小諸駅周辺では「秋灯り小諸」というライトアップイベントを行っているようで、あちこちでこのような飾りつけが行われていました。

小諸城大手門。
1612年、仙石秀久が小諸城主だった頃に建てられたものだそうで、重要文化財に指定されています。
現在の小諸城跡はしなの鉄道の線路によって分断されているため、大手門を見たら地下道を通って本丸方面へ向かいます。

その地下道に入るところにあったマンホール。
「ガンダムマンホールプロジェクト」によって寄贈されたマンホールだそうです。

小諸駅の観光案内所でマンホールカードも配布されていましたので、熱心に集めているわけではありませんが一応いただきました。

地下道の灯りも「秋灯り小諸」。
夜はだいたいこんな雰囲気になるということね。

「懐古園」の扁額がかかるこの門は小諸城の三の門。
これも重要文化財です。
現在の小諸城跡は懐古園という公園になっており、三の門を入ったところで入園券を購入して中に入るのですが、園内散策のみの散策券が200円なのに対して、園内散策+4つの施設に入館できる共通券が400円と格安だったので共通券を購入しました。

懐古園では今日から紅葉まつりだそうですが、紅葉の見頃はまだもう少し先のようですね。

現在の小諸城の原型となる城の縄張りを整備したのは武田信玄の軍師、山本勘助だそうで、武田氏滅亡ののち仙石秀久が行った大改修によって、現在遺構が残る強固な城が完成したそうです。
城下町から下っていくような立地にある穴城と呼ばれる珍しい形のお城で、戦国時代に築かれた城であるがゆえに石垣は野面積み。

三の門から緩い坂を登り、二の門跡を過ぎると、二の丸があります。
小諸城は、関ケ原の戦いの直前、真田と徳川による第二次上田合戦の際に、徳川秀忠が本陣を構えたことでも知られますが、その本陣を構えたのは二の丸だそうです。

二の丸からは北の丸と南の丸の間を通って本丸に向かいます。
北の丸跡は弓道場になっていました。

本丸に渡る橋、黒門橋。
この橋の下は深い空堀になっていて、敵に攻め込まれた時にはこの橋を解体して敵の進攻を阻むことができるよう考えられていたそうです。

現在の本丸には懐古神社があります。

拝殿の横に置かれていた鏡石。
山本勘助が愛用していたと伝わるそうです。

神社の裏手に回ると天守台跡があります。

天守台からの眺め。
今日は曇り空ですが、晴れていれば浅間山も見えるのかな?

天守台の石垣。

天守台の下にある広場(馬場)では菊花展が開催されていました。
お城あるある、秋に菊花展を開催しがち。

小諸城と言えば、「小諸なる古城のほとり」という詩が知られますが、この詩の作者、島崎藤村のゆかりの地でもあります。
島崎藤村は、明治32年に恩師である木村熊二に招かれて小諸義塾に赴任し、小諸で7年間を過ごしたそうです。
懐古園内にある藤村記念館では島崎藤村の小諸時代を中心とした資料などが展示されていました。

藤村記念館の前には「椰子の実」の詩碑。

水の手展望台のそばには、「千曲川旅情のうた」が刻まれた藤村詩碑。

水の手展望台からは千曲川の流れを望めます。
小諸城は千曲川の河岸段丘の上に築かれた天然の要害で、千曲川の方向から攻めるのは困難な構造となっています。

また、城下町から千曲川の方に向けて深い谷がいくつも刻まれており、水の手展望台の横の谷などはこの深さ。
千曲川や浅間山が作り出した自然の地形を巧みに利用した強固な城です。

こちらは小諸出身の画家、小山敬三の作品を展示する小山敬三美術館。
自然の風景や建物などを、骨太なタッチで描く油絵は力強く重厚でありながら色彩も鮮やかで印象に残る画風でした。
特に浅間山の絵がよかったです。

木々に囲まれて全体像が分かりにくいですが、曲線を多用した白壁と赤い屋根が特徴的な小山敬三美術館の建物は村野藤吾の設計だそうです。

懐古園を散策した後は、懐古園の前にある草笛本店で名物のくるみそばをいただきました。
甘みとコクがあってクリーミーなくるみだれはクセになるうまさです。

草笛の前にはかつて小海線を走っていたというSLが展示されていました。
小海線はいつか乗ってみたい路線ですが、しなの鉄道では懐かしい湘南色や横須賀色の115系が走っているそうでこれもちょっと見てみたいし、少し足を延ばして、碓氷峠鉄道文化むらやアプトの道にも行ってみたいし、小諸、軽井沢界隈には鉄道メインで訪れるのも面白そうです。

最後、地元のスーパーTURUYAの小諸店でいろいろとお土産を買って今回の信州旅は終了。
TSURUYAは初めて訪れましたが、地元信州の素材を使ったPB商品が多くてとても魅力的なスーパーでした。
地方のスーパーは品揃えが珍しくて面白いですが、今まで訪れた中では群を抜いていました。
今後、信州を訪れる際には必ず立ち寄ろうと思います。