
昨年、少しだけ観賞した六甲ミーツ・アート。
一度ちゃんと観賞してみようと思い、今年、2回に分けて観て回りました。
で、先に総括すると、あくまでも個人的な感想ではありますが、少し物足りなさを感じました。
全体的にピンとこない作品、響いてこない作品が多く、また、ちょっと難解な作品だと、すぐ萎えてしまいます。
ちょっと飽きてきているのかなぁ? 現代アート...
そんな中で、気に入った作品をいくつか。

こちらは六甲枝垂れの中に展示されていた作品。
海中を漂うクラゲのようでミステリアスな美しさがありました。

こちらは旧パルナッソスの休憩小屋の展示作品。
国の登録有形文化財に登録されることになった神戸が誇る美しき廃墟、マヤカンこと旧摩耶観光ホテルをテーマにした展示です。

これは完全に個人的なノスタルジー。
ホテルとしての営業を終了した後、しばらく学生向けの合宿施設として利用されていた期間があり、私もその晩年にマヤカンに一泊したことがあるんです。

当時もすでにあちこちボロボロでほぼ廃墟だったので、この展示を見てもまるであの当時から時が止まっているかのようで、あの頃のマヤカンと、そこに集った仲間たちとのことを懐かしく思い出しました。
今は立ち入り禁止のマヤカンですが、文化財登録されたことを機に内部を見学出来るようになったりしないだろうか...

こちらはガーデンテラスから旧パルナッソスの休憩小屋に向かう道沿いに展示されていた作品。

オリンピックではピクトグラムのパフォーマンスが話題になったそうですが、こちらも体を張った作品で、微笑ましい。

こちらは高山植物園に展示されていた作品。

立体絵本といった感じですが、添えられた言葉がとてもいい。

日めくりにしてトイレに飾りたいです。

六甲ミーツ・アートは、夜も鑑賞できる会場があるそうですが、ROKKO森の音ミュージアムのこの展示などは夜向けですね。
昼間に見ても収穫前の果樹園のようです。

風の教会は、アート展示会場としては最高かと思いますが、今年は天井を利用したプロジェクションマッピングでした。
安藤忠雄建築作品はプロジェクションマッピングに最適ですね。

そして、今回、最も気に入ったのは、最後に訪れた六甲サイレンスリゾートに展示されていたこちらの作品群。

展示会場の周辺で採集した植物で作られた作品です。

野に咲く花なんかを見ていると、時々、どんな芸術作品も自然の造形にはかなわないなと思ったりもします。

その自然の美しい造形を何かに見立てたり、少し手を加えてやったりすることで、アートに昇華させる。

リースなんかと同じような発想と言えばそうかもしれませんが、こちらの作品群からは侘び・寂びの美意識も感じられ、そこが琴線に触れるのかなと思います。
うん、優勝。
全体的には少し物足りなさを感じた六甲ミーツ・アートですが、最後に一番のお気に入りに出会えて、余韻に浸りながら気持ちよく帰路につくことができました。