深田久弥の「日本百名山」とともに、時々、辞書的に読んでいる「花の百名山」。
田中澄江さんが、自身の登山の経験から、四季折々の山々とその山に咲く花々についての思い出を綴った随想集です。
「日本百名山」とは対照的に、標高の高い低いにかかわらず取り上げられており、また、必ずしもその山を代表する花をあげているわけではないところもユニークです。
この本に記されている花と木の種類は824種、一方の「日本百名山」に記されている花と木の種類はたったの44種だそうです。
私にとっては、ピークハントや眺望などと同等か、時にはそれ以上の楽しみとしている花。
その花で選ばれた百名山ですので、これも登る山選びの参考にさせていただいています。
あえて遠征までして登りたいほどの魅力を感じない山も多々ありますが、例えば、富良野岳のように三百名山にも入っていないような山でも実際に登ってみて花の素晴らしさに感動した山もありますので、軽くは扱えない本です。
この本に書かれているすべての山に登るということはまずないと思いますが、この本に書かれている花の名前を見て、その大半の色や形をぱっと思い浮かべることができるようになりたいものです。