熊野古道中辺路散策(4) | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

熊野本宮大社から道の駅「瀞峡街道熊野川」を経て、熊野速玉大社へ。

 

 

今日はいい天気の上にとても暖かく、桜の花もだいぶ咲いています。

 

 

鳥居をくぐって参道を歩いて行くと、左手に国の天然記念物の樹齢千年という梛(なぎ)の大樹があります。

 

 

この梛の木は熊野速玉大社の御神木として信仰を集め、古くからこの梛の葉をいただいて帰ることが熊野詣の習わしになっていたそうです。

 

 

さらに先に進み、朱色のまぶしい神門をくぐると、

 

 

これまた朱色のまぶしい社殿と拝殿が立ち並んでいます。

 

熊野本宮大社とはだいぶ趣が異なります。

 

こちらには熊野速玉大神(イザナギノミコト)と熊野夫須美大神(イザナミノミコト)を中心に十二柱の神々が祀られているそうです。

 

拝殿を順にお参りし、牛王神符をいただき、梛の木の向かいにある熊野神宝館でスタンプも無事に押印。

 

これで熊野詣では熊野那智大社を残すのみ。

 

 

とその前に、熊野速玉大社の摂社でもある神倉神社にもお参りします。

 

神倉神社に着いてまず驚くのはこの鳥居の奥、上へ上へと延びる急こう配の石段です。

 

 

この急な石段を70mほど登ると、平坦なところに出て、もう一つの鳥居をくぐっていくと、

 

 

神倉神社の御神体、ゴトビキ岩と、岩に寄り添うようにして立つ社殿が現れます。

 

 

神倉神社は熊野権現が最初に降臨した聖地とされており、2月初めには上り子と呼ばれる男たちが松明に御神火を受け、石段を一気に駆け上がる勇壮な御燈祭りが行われることでも有名なようです。

 

 

社殿の下からは見晴らしもよく、新宮市内が一望できます。

 

この神倉神社、スタンプの押印所にもなっているのですが、急な石段を登り切ることに必死になりすぎて、下りてきた後にスタンプを押し忘れていることを思い出しました。

 

「まさか、スタンプ、上にあるなんて言わないよねぇ。」

 

もう一回登らないといけないのかと一瞬青ざめましたが、入って右手にある社務所らしき建物の前に置いてありました...ほっ。

 

 

神倉神社をお参りした後は、地図や観光パンフレットを観ていて気になった新宮城跡にも立ち寄ってみました。

 

 

新宮城は熊野詣とはさほどかかわりはなく、江戸時代に入ってから築かれた城だそうです。

 

 

石垣もなかなか立派で、川べりには水ノ手と呼ばれる船着き場になっていた場所なども見られ、

 

 

本丸から眺める熊野川河口域の景色もまた良し。

 

 

建物が全く残っていないのが残念ではありますが、なかなか特徴的な城郭で、続日本百名城にも選ばれているようです。

 

もう少し、なにかしら見るものがあれば、もっと人が集まる観光名所になるような気もするのですが...

 

 

新宮城跡に立ち寄った後は、国道42号線を南下し、海岸沿いにある熊野古道の一部、高野坂の登り口へ。

 

 

高野坂の登り口の目の前には王子ヶ浜という広大な砂浜が広がり、JR紀勢本線も走っています。

 

 

くろしおでも通ってくれたら海をバックにいい写真が撮れそうなのになと思いつつ、スタンプを押していたら、不意を突いて各駅停車が通り過ぎていきました。

 

 

高野坂も古道の情緒が色濃く残った道。

 

ですが、海沿いの古道は、植生や風の匂いなど、山の中の古道とはちょっと違った雰囲気があります。

 

 

昔の人々は、熊野那智大社まであともう少しというこの高野坂で、広大な熊野灘を眺め、潮騒を聴きながら、これまでの長い旅路を振り返っていたのでしょうか。

 

 

高野坂はわずか1.5kmほどの道程ですが、いくつかのお地蔵さまや五輪塔や、

 

 

金光稲荷神社など、いくつかの見どころもあります。

 

 

苔むした石畳の道。

 

かつてここを歩いた人々の旅姿が目に浮かんでくるようです。

 

 

わずか30分~40分で反対側の登り口に到着。

 

ちなみに、車で訪れてこの高野坂を歩く場合、国道42号線沿い、高野坂のちょうど中間点あたりの場所に無料の駐車場がありますので、そこに車を止めて周回するのがいいかと思います。

 

ぐるっと回って1時間ちょっとといったところでしょうか。

 

 

さて、牛馬童子像からスタートして、車と徒歩とバスを使い分けて足早に巡った1日目はここで終了。

 

2日目はいよいよ今回の熊野古道歩きの本題ともいうべき、熊野那智大社から大雲取越を歩きます。

 

(5)へつづく...