歴史に登場した建築様式は、人類の歴史文化自体の変遷と同様に、
「二つの中心を持った大きな時代の楕円形の螺旋盤」のうえに形成されるものである。
人類の歴史文化自体がこの螺旋形の文化地盤であって、建築文化はその時代に生きる人類の生活文化という
無形文化を受け入れる有形文化財ということができる。
そのように理解すると、歴史のなかで生まれた建築様式はまず人類の歴史文化地盤を理解することが重要で、
そのためには2本の文化軸という歴史文化認識の構造を理解することが必要であるという
結論に至った。
その二つの中心軸とは以下の価値観とする。

A:合理主義の思想、義理(理屈に照らして正しい)の思想、ヘレニズム思想(国際性)
  ∟合理性と国際性

B:癒し・慰め・救いの思想、人情(人の情け)の思想、宗教(キリスト教)の思想(地方性)
  ∟情緒と地方性

この二つを中心とする楕円軌道上の螺旋盤としての文化地盤は、基本的に楕円形の二つの中心軸の影響下
にある場であって、いずれか一方の軸の影響下にあるものではない。
楕円形をした歴史文化の螺旋案のうえに、時代を追って建築様式をならべていくと
このモデルが予想通りの順序に従って連続して並べられる。
それぞれの建築様式が、どのような歴史文化軸との関係で共通性を有しているか、
という解析に役立つものであるということが確認できるはずである。
建築様式は平面的に見ると2つの中心を持つ楕円軸を回っているように見え、立体的には
二つの軸の間を振り子のようにゆれているように見える。
楕円盤の両極にある建築様式が、以下の二つである。

A:古代ギリシャ・古代ローマ、ルネッサンス、インターナショナルスタイル
  ∟その時代の社会全体に広く使われるデザイン

B:ロマネスク・ゴシック、19世紀末、インターナショナル・アーツ&クラフツ
  ∟地方ごとに相違するもので、社会的な広がりは小さい