10月2日、建築塾第22回目
です。
残暑が続くと思いきや、一気に秋らしく
なってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか
設計演習コースでは、塾生たちが前回のエスキスを踏まえて、自然を受信する庭(装置)の検討を進めてきました
ん~…まだ皆詰めが甘い
第1課題と第2課題は、製作期間に約2ヶ月が用意されていましたが、今回の第3課題は、約1ヶ月と今までの半分しかありません
製作期間が短いのに、今までの課題より内容が濃い・・・ということは、案をどんどん詰めて、検証を重ねていかなければなりません
前回のブログでもお伝えしたように、今回の課題では、
「実際にその現象が起こることの“検証”をすること」、そしてそれを言葉ではなく、動画やCG
などのビジュアルの証拠として見せることが重要です。
“検証”とは言い換えれば、建築を創る際の
「PLAN」→「DO」→「SEE」
なる手順の「SEE」を徹底させろ、ということです。
例えば、今回の庭の設計では、
「無窓の部屋の天井に、直径20センチのトッップライトでも空けておけば、恐らく月の光が入ってきた瞬間、えも言われぬ幻想的な空間になる“であろう”」ということで事が進みます。
つまり、「PLAN」(案)して、次にそれを「DO」(模型)
すればそれで終わりです。
そこには、「本当にそれが幻想的な月光の効果を産むのか?」という
検証(SEE)が成されません。
現実の建築では、これこそが大切なのです
特に今回、「自然を映す庭」ということですから、そのへんをいい加減にしてしまうと、それは「建築」にならずに「絵に描いた餅」で終わってしまいます
そこで、現実にはどのような検証(SEE)を行って建築が作られているか、それを前田が過去の作品を使って例を示します
こちらが前田紀貞アトリエの作品、


「プリンをくり抜く」ように、四角い塊をくり抜いて空間ができるというコンセプトからできています
さて、この建物「THE ROSE」、壁はコンクリートの打ち放しで出来ているのですが、通常、そこには「打ち継ぎ目地」というものが現われてきます。
「打ち継ぎ目地」とは、コンクリートで壁を作る際に、階ごとに出てくる目地のことです。
下の写真の建物の真ん中辺りに見える横の線が、それです
通常この目地は、漏水防止や施工精度を確保する為に為される処置ですが、「THE ROSE」では、その目地を特殊な方法で取り除くよう計画されています。それは先に述べたように、「THE ROSE」という作品が
「プリンをくり抜く」というコンセプトだったので、この目地が付いてしまっては、ひとつのボリュームが分節されてしまい「プリンの塊感」が出なくなってしまうからです
建築は模型を作っただけではダメで、
それが実際に建った時にどんな顔つきになるか?
という原寸での、ブツでの検証(SEE)が必要になります。
上の例は、そうした私たちの日々のちょっとした検証(SEE)のひとつです。
自分の想いを正確に実現するには、この検証(SEE)が欠かせません!
その点で、第3課題に限らずこの塾で行っている課題は、
「SEE」(検討)することを身につける、あるいは
「SEE」(検討)の癖をつける、良い訓練になるという訳です
今週はこれで終わりですが、最後にお知らせがあります
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