結露の原理を逆手にとった快適生活術を提案してみます。
蒸し暑い部屋を5分で快適に
梅雨時期の蒸し暑い日、熱帯夜の夜、たった5分~15分で一つの部屋を快適にする方法があります。10畳の部屋で約5分、25畳の部屋で約15分くらいです。
方法
1.その部屋の全ての窓やドアを閉め切り、換気扇も止めます。
2.エアコンを冷房にし、いつもかけている温度よりやや高くてかまいません。
3.除湿器を運転します。
4.扇風機を部屋の空気を拡散するように回します。
エアコンのあるリビングや主寝室などは、この方法を使えば、あっという間にほんとのカラッと除湿、快適空間が生まれますよ。エアコンだけでは、いくら除湿にしても室温を下げてしまい、快適とはいえません。除湿器だけだと湿度は下がりますが、室温は上がってきます。
除湿器で湿度を下げ、エアコンで室温の上昇を抑え扇風機で室温を平準化するこの方法を一度お試しあれ。
注)換気は一時間に1回程度(5分)おこなって下さい。たばこは厳禁です。換気をしていませんから。今まで書いてきたことと全く逆で、機械の力で温湿度を制御しています。その代わり換気を犠牲にしています。
余談
この方法する時、決して窓を少し開けておき換気しながら除湿しようなどと考えないで下さい。小さな除湿器やエアコンで外の湿度と喧嘩しても勝ち目はありません。地球を相手に喧嘩しても負けますから。梅雨時期の湿気た外気は、遮断するしか方法はありません。
熱帯夜の寝方
どうしようもない熱帯夜は、エアコンをかけ、冷房か除湿にするしか方法はありませんが、少し蒸し暑い微妙な時期は就寝中、換気扇を使いましょう。少し窓をあけ、窓と対角か風の通る違う部屋の換気扇をずっと回しておきます。(窓をあけすぎないように。あけすぎると換気扇で外から空気を引っ張ってくる力が働きません。)その際就寝前にエアコンの除湿か冷房で少し部屋の温度を下げておいた方が効果的です。寝るときはエアコンは止めます。
この方法は、部屋に風を通し、風の力で体の体感上の温度を下げる方法です。
暑い日、歩いていると汗は噴き出さないのに、止まると汗が噴き出してくる原理と同じです。
こんなことを考えて、部屋の配置を決めていくと楽しい・・・ですよ。
除湿器を有効に
除湿器は部屋の湿気、水蒸気をとるものです。これを思いっきり利用しましょう。
洗濯物を室内に干す場合、その近くに除湿器を置くと洗濯物から発散される水蒸気が他の部屋に流れにくく、その部屋もあまり湿気ることはありません。少ない量であれば浴室に干し、浴室を閉め切り、その中で除湿器をかけておくのも一つの方法です。(浴室換気は回してください)
冬でも扇風機
先に記述したとおり、エアコンやストーブだけでは、室温は床の方が低く、天井に行くにしたがって高くなります。場合によっては5度以上も温度差が生じます。こんなとき扇風機を使って部屋の温度の平準化をしましょう。冬でも扇風機は活躍します。
(室内の空気を拡散させるためですから、人に直接風を当てる必要はありません)
ロールスクリーンをうまく使う
LDKタイプなど、水蒸気の発生しやすい台所と、快適でいたいリビングが同じ部屋になっている場合、調理が終わったあと、キッチンとの仕切りをロールスクリーンで仕切ってしまうのも除湿・空調という点では有効な方法です。
リビングで過ごしているけど食器乾燥機を使っている、お茶を沸かしている・・・こんな時は大量の水蒸気が発生しています。レンジフードを回しても完全に湿気や熱をリビング側にくることを止める事は不可能です。そんな時対面キッチンのカウンターやキッチンの入口などをロールスクリーンを下げることによって空気の流れを分けることが出来ます。リビングにも換気扇があればキッチンの熱や湿気がリビングに流れ込むこともなく、リビングのエアコンがキッチンに流れ込むこともありません。
空気や湿気・水蒸気をうまく制御して快適空間をつくりましょう。
24時間換気システム
現在の新築住宅は全て24時間換気が義務付けられています。室温を均一化し、暖かい部屋内に温度差を作らない。24時間常に機械で換気し住空間に新鮮空気を入れ、余分な水蒸気を排出するこのシステムは、現代の高気密住宅では有効な結露たいさくになります。
しかし、これらをセールスポイントにする住宅会社が多いのではないでしょうか。高断熱・高気密だけでは結露は防げません。有効な換気システムがなければ、逆に高気密が結露の温床になってしまいます。高断熱・高気密の住宅を考えるならそれに見合った換気が配置されているかが、この住宅を購入する一番大きなポイントといえるでしょう。
居住者が換気をすれば大丈夫などという建築会社があるとすれば、その会社の技術力は低いと考えたほうがいいでしょう。
新しい住まい方
事務所ビルでは結露やカビはあまり見かけません。それは、全体空調によって一定の温度に部屋が保たれ、ビル全体の断熱などにより夜でも急激な温度低下を招きません。強制的な機械換気で窓は開けていなくても空気は入れ替わっています。
しかし、個人住宅では個々の部屋の室温が異なり一定ではありません。水蒸気の発生するものも多いです。換気も個別で押入れ納戸など空気の滞留場所も多いことが結露・カビを誘発します。
事務所ビルのような高価な空調システムを入れない以上、人の手でこまめに防いでいくしかありません。高断熱・高気密・24時間換気システムが100点満点でもありません。20年以上前のすきま風の入る窓と扇風機や石油ストーブしかなかった生活と比べ、遙かに快適になった住まいは、同時にそれに見合った生活習慣が求められます。建築技術やエアコンなどの機器の発達(ハード面)は、同時に違った住まい方(ソフト面)を要求されているのです。
結露は空気と水蒸気という目にみえないものが相手です。住宅の環境、構造、間取り、生活習慣などいろいろなものが絡み合って発生します。もし、どこかにカビが発生していたら、今までの説明を振り返り、そのカビを完全に除去したあと、換気を考え余分な水蒸気を部屋に残さないような生活習慣に変えてみてください。
株式会社 アーキテクノ
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