天才には違いない・・・のだが・・・
マーティンは陽気に、自分は友達ではなく「カモ」だったという。彼は忠実な僕となり、ライトの図々しい金の無心に応じた。というのも、いつも資力以上に背伸びをして債務を負ったライトの人生は、どうしようもない借金地獄だったからだ。
伝記作家のブレンダン・ギルは、感嘆をもってライトを「完壁なペテン師」と呼ぶ。つねに負債を抱えこみつつ、尊大で無頓着な態度を決めこむ彼の生き方を知ると、人はただ驚愕するばかりである。両親を殺して死刑宣告を受けた男が、自分は孤児なのだから、といって裁判所に慈悲を求める昔話があるが、ライトはそんな男と同様、人を唖然とさせるほど虚勢を張って生きた。借金漬けで先行きのおぼつかないままこのとき彼は「小さな家」ではなく、荘園主の屋敷を建設しようとしていた。
クライアントに前金の支払いを頼んだり、浮世絵コレクションをかたに借金を懇願したりするときのライトの手紙は、じつに歯切れよく流暢だ。
「現代建築の三大巨匠」のお一人なんですけど・・・
・・・・ミースもコルビュジェもお友達ではなかった・・・・