元気で オーパル


ノアは両手をストーブの火にかざす。もう少しあとになって、あたりが明るくなり、太陽が新雪の青い緑を焼き去りはじめると、ノアは鋸を手にとり小屋を出て、畑の先まで行くだろう。

でもいまはまだ外は暗い。そして寒い。ノアは両手を火にかざし、熱くなるまでそうしていてやがてさっと引っ込めて顔を覆う。指をなくした隙間からストーブが見え、そのかたわらの低い机の上に、水を張った、欠けた鉢が見える。ノアは両手を顔から離して、つなぎの作業服の胸ポケットに手を入れ、ペーパーフラワーをひとつ取り出して、しげしげと眺めてから、鉢にぽとんと落とす。

七時にノアはつかのまの、夢も見ない眠りから目覚め、なぜか自分でもわからないがにっこり微笑む。微笑みながら、立ち上がって上着のボタンを留め、面を外して、部屋のむこうまで行き、引き出しのなかの肉包み紙の上に置いて、その隣にある額に触れ、ひきだしを閉める。それから背中をぴんとまっすぐのばして、鋸を引っぱり降ろし、ストーブの前に戻って椅子に腰掛ける。



  


いとしいオーパル