主人公は、もと警視正の真壁七郎。
60歳で定年後ホテルに天下りするも2年前に辞め、その間に妻を亡くし、現在は狼の血筋を持つ”軍曹”名の犬と暮らす。
真壁は悠々自適にて贅沢な食事を好み、レストランで相席となった良家の二人のお嬢様のひとりには見覚えがあった。
彼女の名は下総登志子、2日前に東京都内の公園で、ダリアを見つめていた際に真壁は彼女を見初めていた。
もうひとりの女性は布家久美子。
その3日後新聞に布家久美子のガス自殺が報じられ、しかし真壁は自殺が信じられず、あやめた者がいるのではと久美子の男関係に探りをいれるため、下総登志子から怪しい者を聞き出すなど、多くの時を一緒に過ごし、あわせて愛は深まる。
真壁七郎72歳、下総登志子25歳、年の差は47歳。
読者である私は現在73歳。
年の差47歳前後の若き女性を知ることはなく真壁がうらやましい。
やがて、布家久美子の死の真相にたどり着く。
終焉は、筒井氏が3年前に発表した作品集「カーテンコール」に収録された『川のほとり』を思わせとても切ない。
