先日、耐震診断を行ってきました。
築35年程度。
土塗壁の上に漆喰を塗ってあるという昔ながらの建物。
伝統構法とまではいかないが、それに近い工法で建っている。
漆喰壁の耐震というのお話。
この漆喰壁というもの、実は今で言う耐力壁の役割を担っている。
漆喰というのは空気中の二酸化炭素と反応し、硬くなり続ける。
空気を浄化するという機能に加え、
硬い壁、つまり硬いために変形しないので、耐力壁としても機能している。
今の建築基準法、耐力壁により建物を支えるという考え方なので、
とにかく壁を頑丈に作らないといけない。
しかし、あまりに壁が頑丈すぎると、
今度は大地震の際には、柱などの骨組みの方が、
壁の強さに負けて、破壊が起きる。
このようにして起きる破壊は、主にせん断破壊と言われるもので、
一般に非常にもろい壊れ方をする。
では、そうならないためにどうするか。
さらに金物で補強しなさい。
今の基準法はこのような論法で構成されている。
壁で支えるという考え方も決して間違っている訳ではないが、
壁が頑丈すぎて、骨組みが壊割れてしまえば、
もちろん建物は倒壊し、すべて終わり
漆喰壁というのは、ある程度の揺れに対しては、頑丈に耐えてくれるが、
それ以上になると、ひびが入り、漆喰は剥がれ落ちる。
つまり、骨組みに影響が出そうな位の揺れが起きた場合、
逆にはがれて、骨組みを守ると言われている。
しかし、ココで普通の方なら疑問が出てきますよね。
漆喰が壊れてしまえば、今度は弱くなるじゃん。
その通り、確かに耐震という面では弱くなりますが、
これが日本建築のすごい所。
土塗壁の下地プラス漆喰壁の仕上
ここがミソになります。
長くなってしまったので、
続きは、明日にします。