手のひらに乗るサイズと重さのmini PCを使っていた。購入して七年。動画のエンコードをした。非力なことをまざまざと思い知った。
 PCの償却は五年。もう、買い替えてもいいだろうと自分を納得させた。買ったのは今年三月に発売された最新のmini PC。ハードウェアの知識はないが、CPUはコア4でGPUまであるとなれば、自分が買ってきたPCの中では最上クラスに位置する。さらにはニ万五千円と前機より安価だ。迷いなく買った。
 Win11がプリインストールされていた。WinでなくLinuxを使いたいからその日のうちにWin11をインストールイメージとして保存し、Winを削除した後Linuxをインストールした。ディストリビューターはUbuntu、フレーバーはmateだ。軽量で気に入っている。
 見た目だけをMacにしたかった。Appleは、BSD系のUnixをベースにしている。コアのOSはBSD。その上に乗っかるAPIはUnixを独自にアレンジし、その上にデスクトップ環境を構築している。
 かつてMacユーザだった。ファンでもあった。それは若い頃のはなしだ。今は気に入らない。何よりも価格が高い。加えて提供する機器がクローズドなシステムだからだ。営利を目的とする企業だから当然だとは思える。それが気に入らなくなったのだ。
 とはいえ、Appleの提供する機器はユーザ・インタフェースがとても綺麗だとは誰もが認めるだろうし、自分もそう思う。だから、ぱっと見はMac。でも中身はLinuxにした。
 すごくわかりやすく言えば、ぱっと見だけは綺麗で可愛く貞淑なおぢゃうさん。しかぁし、中身はあり得ないくらいの極道者のヤンキー娘。という比喩が適切かどうかわからない。でも、当たらずとも遠からずではないか?