体調が悪くなる子も続出で心配ばかりの日々だけど、卒業出来る子は卒業させるも大切。

ご希望くださるご家族様にも感謝して、譲渡に向けての活動もしなくてはならない。


今日はお見合いが事務所である日。

事務所に着いた途端に病院から電話。

「院長だ…」

朝早くの院長の電話はよくない知らせだ。


ハルトが新しい免疫抑制剤に副反応を起こし、発熱してしまい状態が悪いとの事。

手足は浮腫みが酷く、もう静脈注射を打つ場所もない。

ステロイドももう使えない。

一縷の望みの抗がん剤クロラムブシルでさえ、もう使えないと言うのだ。

「助かるの?」

「最大の努力はします」

ハルトくんが一番体が楽になるような治療をお願いしました。

今晩が山です。

今日の治療がいい方向に向かわなければ、あんなさん宅に戻します。

ブラッキーくんに続き、ハルトくんまで神さまは連れて行ってしまうのか。

いや、まだハルトはがんばっている。

がんばっているから、もっとがんばれとは言わない。

あんなさんも病院も最大限の事をしてくれている。

お見合いの後に急いであんなさんとハルトくんに会いに行った。


まだ10歳にもならない。

小さな体でがんばるハルトくん。


皆で見守ります。