この子が収容された時から、相談が来た。

詳細はあんなさんのブログで。

状態が悪いので、一刻の猶予も無いとのことだった。

センターの許可が下りてから、すぐに迎えに行ったけど、見た瞬間にこれは・・・とも思った。

 

センターの所長が「どうしてこの状態で捨てられるのか」と呟いた。

皆がこの子を救うべき、奔走しました。

センターの先生方も私たちの協力病院の先生も。

命を救うべき、緊急手術に踏み切ったが、肝臓への転移が大きく、貧血はどんどん進んで行った。

協力病院の愛犬シンバから血をもらい、なんとか助かって欲しいと願いました。

朝に先生から、呼吸が弱くなってきたので、酸素室に入ったと連絡をもらった。

別件で卒業犬の里親様と病院で待ち合わせをしていたので、すぐにあんなさんと向かいました。

「なんとか助けたいです」先生も頑張っていた。

でも・・・午後2時に呼吸が止まったと連絡が来た。

私はすぐに協力病院へ向かいました。

蘇生措置が始まっていた。

「戻っておいで!」

先生、看護師さん達も必死だった。

輸血協力してくれたシンバも心配そうにこの子に寄り添っていた。

体が冷えないように、硬直が始まらないように、皆でマッサージをした。

 

でも・・・

彼女はもう戻ってきませんでした。

 

先生方に御礼を言い、私は彼女を抱いて病院を出た。

駐車場に先生が来て、「悔しいです」と呟いた。

 

捨てられた命は何人もの人間が救うべく、尽力した。

たった一人の人間の無責任を何人もの人間が嘆いた。

痛かっただろうに。寂しかっただろうに。

彼女の亡骸は見ず知らずの私の家に帰った。

どんなにか飼い主を恋しがったことだろう。

捨てるような飼い主でもこの子はすがっていたのだろう。

魂だけでも、飼い主の元に戻れたのだろうか?

 

この子を捨てた飼い主に一言だけ言いたい。

もう二度と動物を飼うな・・・と。

 

たった数日のARChっ子。

お名前はチャームと名付けました。

 

明日荼毘に付します。

チャームちゃんのこと、皆様だけはせめて覚えていてあげてください。