生きるために食べよ、食べるために生きるな。
ソクラテスの言葉です。
超シニアの子や命に関わる病気を抱える子にはいつもこの言葉を思い出します。
死期を予感し受け入れる時は悲しい気分になります。
だからって、頑張っている子にもっと頑張れとは言いたくない…。
ウィズの引取を決めた時にカコさんやあんなさんと適切な医療措置はするけど、過度な事はしたくないと話し合いました。
四肢麻痺、声帯カット、歩く事も立ち上がる事も自分で姿勢を変える事も大きな声で鳴く事も出来ない。最初はなんてかわいそうな子なんだと思いました。
でもその思いはすぐに間違っている事に気付きました。
ウィズは動く首で顔を上げ、鼻先を器用に動かし、とても表情豊かで、一生懸命で少年のような子でした。要求だって、ハフハフと言う鳴き声ととてもよく動く鼻先でする事も出来ました。
身体に負担のかからないベッドで時間毎に体位を変えてもらい、お水を飲ませてもらい、お腹に負担のかからないゴハンを食べていました。お布団に潜るのが好きでした。
昼間はカコさんのお店の真ん中の特等席にいて、夜はあやちゃんのベッドの中で穏やかな時間を過ごしていました。
きっとカコさんとあやちゃんとずっと一緒にいたくて、自分の力を精一杯使って生き抜いたのです。
ここ一週間食べが悪くなったと聞いていました。でも強いウィズ君、きっとまた復活するに違いないと思っていました。
最後に会った時のウィズ君。
カコさんが嫌がるのを無理やり給餌したく無いといいました。
死を受け入るも私達の役目なのです。
だってウィズは一生懸命生きたのだもの。
夜にカコさんから、今亡くなったと電話が掛かって来ました。泣いていました。
私は関係スタッフさんにメールを書き、アーチのスタッフメーリングに訃報を連絡しました。
お坊様に祈祷してもらい、冥福を祈りました。
ウィズ君を応援支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ウィズのサポートファミリーの皆様、本当にありがとうございました。
カコさん、あやちゃん、パパさん、本当にありがとうございました。
ウィズ君、元気を見せてくれてありがとう。
安らかに。