[TRN] MT1 MAX レビュー : これこそちゃんとした音色可変機能といえるイヤホン | arceloのイヤホンレビュー

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1。 外観及び構成品
 


- ノズル一体型のセミオープンタイプのプラスチックハウジング(ノズル径が若干大きい方)、安価なケーブル、TRN *TイヤーピースMサイズ1組、中~小口径のL,SサイズのTRN基イヤーピース各1組、周波数チューニングのためのディープスイッチ調節用ピン

- 周波数変更は全部で4つのモードです。 スイッチの本数で見るとより多くの機能がありそうですが、実テストの結果決められたモード以外は作動しません。ディープスイッチはきつくなく、ピンを利用して少ない力でもスムーズに切り替わります。

 

 


2。 SPEC : 22オム/108dBで 駆動に制約はありません。



3。 周波数特性テスト



- 基本バランスモードの場合、過去TRNで発売されたコスパと違って低音域がハーマンターゲット追従性がかなり良好に変わり、ブースティングさせる傾向が多かった中·高音域のバランスも少しずつ削って全体的に過去発売された機器に比べておとなしくチューニングされた特性を見せています。 5K~8K区間が多少ブースティングされている形なので、共振ピックまで考慮すると若干の歯擦音があって鋭さを感じることもありそうです。

- 最近 超コスパIEMの中でかなり価格が高い機器に匹敵するほど超高音域のチューニングの完成度が高い機器がたまに見られます。= 代表的な例としてJCally MN = MT1 MAXも超高音域の有効区間が生きているチューニングで空気感良好で倍音表現と解像力も価格に比べ満足度が非常に高い方ですね。

- 基本に提供されるイヤーピースでは鋭さに対する補完に限界があり、いくつかのイヤーピースでテストしてみた結果 08系列の小口径イヤーピースを使用する場合 5K~8K区間がかなり抑制されて鋭さが減り、超高音域がもう少しブースティングされるにつれて全般的により高級感(?)のある特性に変わります。



 

- 可変周波数機能は現在まで発売されたディープスイッチ方式イヤホンの中で有効性部分は非常に高い方で低音域と中.高音域に対する変化量が大きいです。 基本的にバランス標準)モードを基準で変化する各モードの特性は

1) BASS ENHANCED : 低音ブースティング+中.高音域以上を大幅にけずり、ウォームチルト傾向に近いチューニング

2) XTRA BASS : 低音ブースティング+中.高音域は標準チューニングでファンサウンド系に近いチューニング

3) TREBLE ENHANCED : 100Hz以下の区間の大きなロールオフ + 中.高音域は標準チューニングで、拡散音場に近いボーカル強調系のチューニング




4。音の表現力

- 音像(ボーカルの中央焦点) : 良好

 

- イメージング(定位を含む) : 良好

- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 良好

- サウンドフィールド2(上下の拡張) : 良好

- 分離度(解像度を含む): 良好+

- 残響 : わりと少ない方

 

 


5。TRN MT1 MAX はこんなイヤホンです。


1) 最近、KZ(CCAを含む)を先頭にして独自のチューニングから脱し、市場のトレントに従うコスパの良い機器が多く発売されていますが、TRNもその最初の砲門をMT1MAXで開いたとみられます。 さらに バランスだけでなく有効性の大きい可変周波数機能と音響性能も競争級製品より優秀な部分が加わったのは嬉しいですね。

 

2) バランスモードを基準に過でも不足でもない低音の量感、中.高音域以上はハマンターゲットよりは拡散音場により近くチューニングされた形で、 全般的には「寒色」系であり、 ドライバーの反応も低音域よりは高音域に敏感に反応する感じでチューニングされています。 それぞれのモード変更によってファンサウンド、ウォームティルト性向をすべて味わえる機器は簡単に見つけることができないのですが 、10ドル近くでこれが簡単にチューニングできる面白さを与えたのは称賛に値します。

 

3) 超高音域までターゲットに近づけたチューニング、価格以上の高い解像力、弱いもののセミオープンの長所であるベース飽和度の減少と適切なステージの拡張、特定モードを適用する際のFPSゲームのサウンドプレイ用にも適したバランスなどが主な長所だと考えられます。

 

4) 基イヤーピースで若干鋭かったり、歯擦音が発生することもある問題(これは前述の小口径イヤーピースを使用する場合は補完可能)、大きなノズルサイズで耳穴の小さい人には少し不便な着用感、音を解きほぐす特性が多少乾燥して平面的な感じがすることなどが短所だと思われるが、価格を勘案すれば納得できるもので...(あえて短所を探してみました)

 

5) MT1 MAXを皮切りにTRNもエントリー級で覚醒を始めていると見られるので、これからがさらに楽しみです。 この価格でこのような機能にこれほどの音響性能を備えた機器は珍しいんですよ。