「火垂るの墓」の高畑勲監督が、岡本螢・刀根夕子原作の同名コミックを映画化した
1991年製作の長編アニメーション。
自分の少女時代を振り返りながら、精神的に自立してゆく平凡なOLの姿を描いた高畑
勲監督の作品で、1988年の「火垂るの墓」に次ぐスタジオジブリ作品です。
27歳になる都会暮らしのOLタエ子は、勤務先で休暇を取得。姉の夫の親類宅に2度目
の滞在をさせてもらうことになる。 タエ子は、山形へ向かう寝台特急の車中で、田
舎がないことで寂しい思いをした小学5年生の自分を思い出す、、というストーリー。
徹底したリアリズムで描かれた現在と、淡い色合いで表現された小学生の自分を回想
形式で綴った作品で、ノスタルジックに浸らない現在の自分なりの生き方を見出して
いく女性の姿が描かれていました。
日常の細かな描写や田舎の自然が見事に表現された美しい映画でした。
それでも高畑監督作品には監督独自のメッセージが込められているややクセのある作
品も多く、この映画でも微妙に好き嫌いが分かれる作品なのではないでしょうか?
好みはあるものの、やはり手描きのアニメの素晴らしさには納得してしまうのです。
このエンディングシーンでは以前ご紹介した映画「ローズ」の日本語カバー曲が使わ
れています。高畑監督自らが和訳したものを、都はるみさんが歌っているというミス
マッチな曲が意外と心に染みてきます。
そういえばこの主人公の声は今井美樹、柳葉敏郎という組み合わせでしたね(笑)。
といったところで、また次回ですよ~!