事故で妻と娘を亡くし自らも車椅子生活となったホアキンは、自宅に引きこもり孤独な毎日を送っていたが、貯金が底をついたため自宅の2階を貸し出すことに。そして住みはじめたストリッパーのベルタとその娘に亡き妻子の姿を重ね、少しずつ明るさを取り戻していく。そんなある日、自宅の地下室で奇妙な音を聞いたホアキンは、悪党たちが地下にトンネルを掘って銀行に押し入ろうとしていることに気づく、、。
こちらは２０１６年制作の アルゼンチン 
スペイン 
の合作映画です。
（１２０分）
ほぼ、主人公の家と地下のトンネルのみで展開されるシチュエーションスリラーです
ホアキンは自身で起こした自動車事故で妻と娘を失い、車椅子生活を送っていま
した。自宅に引きこもり孤独に暮らしていた彼ですが、徐々に金も底をつき、家の２
階を貸し出すことにします。 募集を見て訪れたのはストリッパーのベルタと、口をき
かない幼い娘でした。 半ば強引に入居する事になった親子に戸惑う ホアキンでした
が、住み始めると、２人に妻子の姿を重ねたホアキンは次第に明るさを取り戻してい
きます。
そんなある日、ホアキンは趣味で使っている地下室で奇妙な音を耳にします。それは
地下に掘ったトンネルから銀行に押し入ろうと企てる悪党たちの声でした。ホアキン
は壁に小さな穴を開けて小型カメラを差し込み、彼らの動向を監視し始めますが、ベ
ルタが彼らの協力者で、ボスの女だという事を知ってしまいます。 そこでホアキンは
ある計画を立てます。それは、悪党たちが盗むお金の上前を撥ねようというものでし
た。 
素知らぬ顔で生活を送りながら観察をつづけるホアキンでしたが、一味のボスがヘマ
をした仲間を殺す場面を目撃し、その上その男がベルタの娘を虐待していた事まで聞
いてしまいます。 考えあぐねたホアキンは、遂に計画を実行するのでした、、。
前半若干のスローペースではありますが、ホアキンが強盗団の計画を知ってからは、
サスペンスフルに展開していきます。 特に主人公が下半身不随という設定が、彼の
行動を制約して、普通の行動をこうもドキドキさせるか！という位の効果を生んでい
ます。狭いトンネルを腕だけで進みながら、見つかる！～からのセーフ、というベタ
ながらもハラハラする見せ場。 ラストもなんとか無事に乗り越えた、と思ったらまだ
まだ終わらない、四面楚歌な 「レザボア・ドッグス」 的悪夢な展開があったりと、サ
スペンスの醍醐味を味あわせてくれます。 
最近のサスペンス映画の定番である伏線回収も色々と散りばめられていて、前述の言
葉を話さなくなった娘の理由に始まり、盗聴で知った犯人達の名前や、犯人が失くし
たという時計、病気で苦しむ愛犬を安楽死させる為のクッキー等、細かいネタを最大
限に利用しております。クッキーの件はかなりの力技を感じましたが、まぁ多少の無
理から感も楽しみながら観るのが一番であります。 
ただ主人公ホアキンのバックグラウンドが不明のままで、前職も分からなかったのが
ちょっと気になりました。 あんな壊れたパソコンだらけの部屋って、エンジニアでも
やってたんでしょうかね、、、
とまぁ、何だかんだあって一応上手い事収まりますが、私的にはスッキリという程の
爽快感はあまり得られませでした。そもそもお金くすねようとしてたし、ベルタも信
用していい女性なのかと、、。それでも希望を持てるエンディングではありますから
ある種の満足感は得られる作品ですし、細かい所を気にしなければ十分楽しめる映画
となっておりますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。 
では、また次回ですよ～！ 
