1991年3月26日、韓国・大邱(テグ)に暮らす少年5人が「カエルを捕まえにいく」と言って出かけたまま、行方不明になってしまう。スクープを狙うTV局のカン・ジスンや犯人像を分析するファン・ウヒョク教授、子どもたちを捜索する刑事パク・キョンシクは、それぞれの思惑を抱いて事件を追っていたが、そんなある日、ふとしたきっかけで被害者少年の父親に疑惑が向けられ、、。

 

 

 

 

 

こちらは2011年制作の 韓国映画 韓国 です。 (132分)

 

韓国三大未解決事件とされている 華城連続殺人事件は 「殺人の追憶」(04) とし

 

て映画化。 イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件は 「あいつの声」(07) として映画化さ

 

れ、両作ともこちらで紹介させて頂きました。 残る未解決事件を映画化したものが

 

今回ご紹介する ​​「カエル少年失踪殺人事件」です。 

 

 

 

 

  実際の事件の概要は、1991年3月26日、韓国の達西区で同じ小学校に通っ

 

ていた9~13歳の少年5人は、「臥竜山にカエル(実際はオオサンショウウオ)を

 

獲りに行く」 と言ったまま帰宅しない為、親たちは失踪届を出します。 事件発覚後、

 

地元の警察軍、住民が山の中を必死に捜索しますが、彼らの痕跡さえ見つけられない

 

まま時間が経過します。 

 

 

 

 

そして事件から11年後の2002年9月、ハイキングしていた人が、山中で子どもの

 

服と靴が散乱しているのを見つけ、5人の白骨化遺体が発見される事になります。 

 

ただし、見つかった場所は過去に何度も入念に探した場所でした。 様々な謎と、憶測

 

が飛び交う中、遂に事件は2006年に時効になっています。時計

 

 

 

 

この謎多い事件をどういった角度で映画化しているのか?が、一番興味深い所でした

 

が映画化に際して、テレビディレクターという実際の事件には存在しないキャラクタ

 

ーを登場させ、メディア側から事件に関わるという第三者の視点で描かれています。

 

映画の導入部、少年が翻す赤いマントからのショットは趣きがあって素敵でした。 

 

 

 

 

ただ、この事件を深く知る為に観るには不向きな映画になっていました。  映画前半

 

で当然の事ながら少年達の事件が紹介されますが、かなり大掴みな概要の紹介。

 

 

 

 

映画の構成上の都合で、後から詳しく解説してくれると思っていましたが、残念な事

 

に客観的な事件の詳細や、疑問点が劇中では示されませんでした、、。 もやもや

 

 

 

 

その分、映画オリジナルの展開はそれなりに面白く作られています。 失踪事件の

 

仮説を唱える学者と知り合い、事件解決する事で互いに名声や名誉を手に入れる為

 

に、彼の仮説の基で事件を解決しようとします。 

 

 

 

 

しかし、それはあくまでも仮説でしかなく、残された家族を深く傷つける結果となっ

 

てしまいます。 ここでは残された親達をないがしろに騒ぐマスコミや、捜査の進展

 

しない警察への批判と反省を、映画というフィクションで語っているように思えた良

 

い場面になっています。

 

 

 

 

その後 時間だけが流れ、事件も忘れ去られた頃、遂に遺体が発見されます。 しか

 

し、この5人の遺体が発見される所辺りが映画のある種のピークでしたが、それが終

 

わっても物語は続き、(映画として物語を貫徹させたかったのか) 掟破りともいえる

 

特定の犯人を登場させ、実際の事件そっちのけのお話が暴走します。 (先程までの

 

反省は何処へやら) 映画はまるでサイコホラーの色合いを帯び始める無理からな展開

 

になり、テレビディレクター個人の中でうやむやになった形でフェードアウトしてい

 

きます。  カエル

 

 

 

 

この犯人らしき人物との暴力沙汰だけでも警察に報告すれば逮捕に、、という正論

 

には耳を貸してもらえない不思議な世界観がそこにあるのでした、、。 パトカー

 

 

 

 

やたらとエモーショナルに盛り上げる旋律が、ちょっとくどい感じがありますが、韓

 

国映画ならではの空気感は楽しめますし、俳優陣、特に残された親達の演技と顔には

 

引き込まれるものがありました。(主人公のニヤケ顔は苦手でしたが)

 

 

 

 

なんだかんだ、このような実際の事件を映画化出来る韓国映画を羨ましく感じます

 

し、自身を批判する勇気に映画陣のパワーを感じる作品です。

 

反省と後悔が支配しているような映画ですが、この未解決事件に興味がありました

 

ら、一度ご覧になってみてください、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー