18世紀中盤のヴェネチア 人々はカーニバルの喧噪の中で、水面に現われた巨大な女神モーナの頭像を驚異の目で見守る 仮装して人々の中に交っていたカサノバは、見知らぬ女から手紙を受け取った それはマッダレーナという尼僧からの呼び出しの手紙だった 指定のサン・バルトロ島に着いたカサノバを、マッダレーナはフランス大使の別荘ヘと案内した。彼女は実は大使の情婦で、“のぞき”趣味の大使のためにカサノバとのセックスの情景を披露しようとしたのだ 忠実な同行者である“黄金の鳥”を羽ばたかせ、期待に応えたカサノバは、大使の賞讃を得るのだった、、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1976年制作の イタリア イタリア アメリカ アメリカ の合作映画です (148分)

 

フェデリコ・フェリー二 監督、ニーノ・ロータ 音楽の黄金コンビ による一大絵巻物

 

語。無学な私は、「カサノバ」 って絵空者の人物かと思っていたのですが、ジャコ

 

モ・カサノヴァは、ヴェネツィア生まれで 1725年生誕~1798死没 73歳 で

 

生涯を閉じた実在の人物で、彼の自伝 「我が生涯の物語」 の中で、生涯 1000人

 

の女性とベッドを共にした という記述によって後世にまで知られる事となり、彼の人

 

生自体も同じく、波乱万丈な人生であります  

 

 

 

 

その カサノバ のイ ケイケ時代から老年時代までを、女性遍歴を中心に映画化したの

 

が本作になります​​​​​  が、脚本も自身 (共同) で書いているフェリーニが普通に伝記

 

映画を作る訳もなく、カサノバという人物を通して、当時から現代まで通じる人間の

 

愚かさ、執着空虚な世界を、舞台的で人工的な豪華絢爛なセットの中で、オペラ はた

 

また歌舞伎や、浄瑠璃のような人間達を配し、カサノバと当時の貴族界をオムニバス

 

的に描いています。

 

 

 

 

Movie カーニバルに沸き立つ18世紀中盤のヴェネチア 打ち上げ花火 カサノバは、マッダレーナと

 

いう尼僧からの手紙を受け取る 指示されたサン・バルトロ島に赴いたカサノバは のぞ

 

き 性癖の大使のため、大使に見られつつ色事を披露し期待に応えた 海を嵐の中帰る

 

カサノバは、邪悪な書物を保持した罪で、宗教裁判所の審問官に逮捕され、入牢を余

 

儀なくされる 檻

 

 

 

 

牢でカサノバは、伯爵夫人ジゼルダや、お針娘のアンナマリアとの一時を回想する 

 

カサノバは牢を脱獄しパリに行き、神秘的な人々とデュルフェ候爵夫人のサロンで出

 

会う  sao☆ といった、史実に沿ったストーリーはあるものの フェリーニは強烈な風刺

 

を利かせ、徹底したジョークで描いてみせます​​ ピエロ   

 

 

 

 

そしてメインともいえる、多数の女性との性交シーンですが、実際のカサノバが相手

 

をする女性に基準はなく、少女から老女 容姿も関係なくその上 男性 までという性に

 

対しての欲望なのか探求心なのか、、、

 

 

 

 

劇中でのそれは ロマンティック でも エロティック でもありません 見方によっては

 

機械的な単なる運動や、修行僧の苦行のようでもあります 傍目から見ると、その行

 

為はなんとも馬鹿らしく見えます あえてそういった行為や、貴族階級の人間の行い

 

等は 空虚で、時にデフォルメ され グロテスクに描写されます 夜毎の乱痴気騒ぎに

 

漂う退廃感   赤ワイン ディサロンノ  sei  洋酒 赤ワイン

 

 

 

 

カサノバが事を行う時に動かす、機械仕掛けの鳥の置物が登場しますが、それは イタ

 

リア語で男性性器の俗称の意味があるらしく、 小鳥 uccelino がカサノバの動きに同

 

調するように動く様が、なんとも可笑しく、それを象徴するアクセントになっていて

 

面白いです  ぱるちゃん

 

 

 

 

そして誰にでも訪れる老いが カサノバにもやって来ます 老いたカサノバは、これま

 

でのコネで貴族の司書となりますが、世間から忘れ去られ、自らに固執し、周囲から

 

笑われ疎まれ死ぬほど退屈で苦痛に満ちた晩年を過ごします ステッキ

 

 

 

 

そんな老いたカサノバの夢に出てきたのは、生身の女ではなく、かつて寝床を共にし

 

た機械仕掛けの人形の リゲット Cassy 寒々とした夜の街、若かりし頃のカサノバと人

 

形がダンスを躍ります その夢を見詰める老いたカサノバの カッと 見開いた眼にはい

 

ったい何が映っているのでしょうか はてなマーク その人形と、若かりし頃のカサノバが、空

 

虚な空間でダンスをしている場面で終わります 結婚式②

 

 

 

 

卓越した博識と精力絶倫、色事師を盾にヨーロッパの貴族社会を渡り歩いてきたカサ

 

ノバその狂乱の果ての孤独で空疎な彼の人生を徹底して戯画として描いたのが本作で

 

す。主役のカサノバを演じるのは 奇抜なメイクの ドナルド・サザーランド です オペラ座の怪人 

 

本作に象徴的に画面に映されるのが 目 です カーニバルの像の目 他者達の目 そし

 

てラストのカサノバの目 とこの退廃的な世界を見透かすような 目 が印象的です 目

 

 

 

 

この時期のフェリーニ作品はかなり抽象的で大胆で、徹底されています セットや衣

 

装は豪華でデフォルメされていて観ているだけでも快楽的で、他の追随を許さないイ

 

マジネーションの豊かさに圧倒されます  その分、その世界を楽しむ事が出来ない

 

方には少しキツイ作品かもしれませんが、様々なジャンルの作品も撮っていますので

 

他の作品をご覧になるのも良いかも知れません この機会にでも 映画史に残る監督さ

 

んの映画を1本でもご覧になってみて下さいませです ビックリマーク 

 

では、また次回ですよ~! パー