米ソ冷戦下の1960年代初頭 アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。 そんな中、NASAのラングレー研究所には、優秀な頭脳を持つ黒人女性たちが計算手として働く“西計算グループ”という部署があった ドロシー、キャサリン、メアリーはそこで働く仲良し3人組 ドロシーは西計算グループのまとめ役だったが、管理職への昇進は叶わないまま エンジニアを目指すメアリーも、そのために学ぶ必要のあった大学は黒人に対して門を閉ざしていた 一方、幼い頃から類いまれな数学の才能を発揮してきたキャサリンは、その実力が認められ、ハリソン率いる宇宙特別研究本部に配属される しかしそこは白人男性ばかりの職場で、黒人女性であるキャサリンを歓迎する雰囲気は微塵もなかった それでも3人は、自分たちの力を信じて、国家的一大プロジェクトに貢献すべく奮闘していくのだったが…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の アメリカ映画 アメリカ です(127分)

 

この年のアカデミー賞で、作品、助演女優、脚色賞 でノミネートをされた作品であり

 

ます。ついつい、また人種差別の映画か、、、と、ちょっと消極的な気分で鑑賞して

 

みたのですが、単純に エンターテインメント映画 として楽しめて、映画としても大変

 

良く出来た作品でした。ここ最近の映画の中でも、観終わって これほど心地よい気分

 

になる作品も久しぶりです。

 


 

 

Movie 皆さん、もう大体 大まかにお話は予想されていると思います で、ほぼその通り

 

です。映画は主人公の一人 キャサリン の小学生時代から始まります 6年生のキャサ

 

リンには天才的な数学の才能があり、黒板に書かれた難しい方程式を、スラスラと解

 

いていきます。それにより、奨学金を得て、飛び級するという幼少期のエピソードが

 

描かれ、現在へとジャンプカットします 田舎道の道路上で、故障し停車した車 そ

 

の車には黒人 (あえてこのような表現を使わせて頂きます) 3人の主人公 キャサリ

 

ン、ドロシー、メアリー が乗っていて、 NASA へ出勤する途中のハプニング場面

 

です 

 

 

 

 

3人で文句を言いながら修理をしていると、そこに白人警察が通り掛かり、短い会話

 

をします 3人の職場がNASAと知り、職場までパトカーで先導してもらいます  こ

 

こまでで映画が始まって 6分程の時間しか経っていないのですが、この短い時間で 3

 

人のキャラクターと、白人、黒人という立場を見事に観客に説明してしまっている手

 

腕は見事です  大体、15分観ればその映画の善し悪しが分かるものであります 目

 

 

 

 

60年代に描かれる黒人の扱いはさんざん観て来た事でしょう、本作でも当然ながら

 

黒人だけの部署、黒人は使えないトイレ、コーヒーポットも別 という描写が登場しま

 

す。3人はそれぞれ努力を重ね、徐々に今まで黒人が就く事のなかった重要な部署へ

 

と就いていく事になりますが、印象深いシーンで、キャサリンは数学の才能を認めら

 

れ、中枢の重要な部署に就きますが、その建物には黒人の使用出来るトイレが無く、

 

トイレを使用する為には800m離れた黒人専用の建物まで、ダッシュで走って行か

 

なければならないのでありました 机を離れる時間が長いのは何故だ?と上司に質問

 

され、黒人であるがゆえの諸々をぶちまける場面には、こちらもつい同調してしまい

 

ます それを聞いた上司は白人専用の看板をハンマーで壊しはじめます  映画的な演出

 

ですが、素直に感動してしまいます。

 

 

 

 

ドロシーは管理職と同じ仕事をしているにも関わらず昇進が認められずにいましたが

 

導入されたばかりの IBMコンピュータ のプログラミングを独学で学び、責任者の地位

 

を勝ち取るまでになります エンジニアを目指すメアリーも、白人専用の学校にしか

 

設置されていない養成プログラムを受講できるよう、裁判所にまで出向き、裁判官に

 

こう訴えます 「前例となる事の重みは誰よりもご存知のはず」「この州で白人の高校

 

に行った黒人女性はいません」「宇宙に行ったアメリカ人もいなかった」「初の宇宙

 

飛行士となったシェパードは前例を作り 名を残します」「肌の色は変えられません だ

 

から前例になるしかないのです」「判事今日処理する案件で 100年後も意義がある

 

のは?あなたが前例になれるのは?」 判事が答えます「夜間講座だけだぞ ジャクソン

 

さん、、、」 

 

 

 

 

そして彼女は養成ピログラムを受けエンジニアの道を掴みます 女性であるがゆえの

 

家庭の問題も扱われています と、同時に有人宇宙飛行の、マーキュリー計画が、問

 

題にぶち当たりながらも進んでゆく過程の面白さも味わえるのであります ひねくれ

 

た見方をすれば、ソ連のガガーリンに先を越され、焦っていたアメリカだからこそ、

 

計画を成功させる為には、誰彼構わずといった面も少なからずあった事も彼女達に良

 

い方向に働いたという事もあったでしょう 付け加えて、映画としてドラマチックに

 

する為、多少事実を変更している所もありますが、さほど問題のない範囲であります

 

 

 

 

本作の見事な所は脚本と編集の巧みさ、勿論 脚本も兼任した監督の セオドア・メルフ

 

ィ の手腕 そして演者です タラジ・P・ヘンソン、ジャネール・モネイ、そして本作

 

で唯一助演賞にノミネートされた 「シェープ・オブ・ウォーター」 にも出演した オ

 

クタヴィア・スペンサー の仲良しコンビは素晴らしかったです そして責任者を演じ

 

た ケヴィン・コスナー も素敵でした 「アンタッチャブル」 「JFK」 と、他人を引

 

っ張って行く リーダー的な役をやらせると魅力が2倍増になる人ですな 他にも

 

意外な所で  キルスティン・ダンスト や、「ムーンライト」 で助演男優賞を受賞

 

した マハーシャラ・アリ 等も出演されています。

 

 

 

 

他の映画のように差別問題を重く捉えるのではなく、努力は報われるんだと、肯定的

 

に描き、元気をもらえる作品であります できれば同じ女性の方々に是非ともご覧に

 

なって頂きたい映画でありますので、機会があればご覧になってみて下さいです

 

では、また次回ですよ~! パー

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全米映画俳優組合賞でベストキャスト賞を受賞した時の模様です、宜しければどぞ~