内気な少年シャロンは、母ポーラと2人暮らしだったが、ポーラは麻薬中毒でほとんど育児放棄状態 学校ではリトルとあだ名され、いつもいじめられていた シャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友だちだった そんなある日、いじめられているところをフアンという男に助けられる 以来、フアンとその恋人テレサに我が子のように目をかけてもらい、初めて人の温もりを感じるシャロン 高校生になっても、相変わらずいじめは続いていた そんな中、唯一の友ケヴィンに対して友情以上の感情を抱き始めていたシャロンだったが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作のアメリカ映画  アメリカ です(111分)

 

2017年のアカデミー賞で 「ラ・ラ・ランド」 を押しのけ インディペンデント作

 

品でありながら最優秀作品賞、 助演男優賞、 脚色賞、の 3部門を受賞した映画であ

 

ります カップ シャロンという黒人少年が様々な人に出会い、自らの アイデンティティ 

 

を発見するまでの物語が描かれています  製作総指揮に ブラッドピット が参加して

 

おります キラキラ

 

 

 

 

主人公 シャロンは幼い頃から、他とは違う雰囲気を持っている浮いた存在で、普段か

 

らイジメの対象になって いました 母はドラッグ中毒 注射 で売春をして荒れており、居

 

場所のない彼は今日もイジメから逃れ、廃墟の中で隠れていると、フアン と名乗る男

 

が声をかけてきます 度々 フアン と親交を重ねるようになり、シャロンは次第に彼に

 

心を開き フアン に理想の父親像を見るようになります ある日フアンの家に訊ねて来

 

たシャロンが唐突に 「オカマって何?」 と聞いてきます 「僕はゲイ?」 と聞かれ戸

 

惑うフアン まだ自分が何者か分からない 少年期の苦悩が素直に表されたシーンであり

 

ました 「​​​​​​自分の道は自分で決めろ、周りに決して決めさせるな」 と、シャロンに言

 

い聞かせるのでした。

 

 

 

 

高校生になったシャロンですが、クラスに馴染めず 疎外感を感じて過ごしていました 

 

そんなシャロンですが、密かに同級生に恋をしていました相手は幼なじみの ケヴィン 

 

二人は気持ちを通わせあい、夜の月明りの中 お月様 男同士でキスを交わします しかしそ

 

の後、学校で事件が起こり シャロンは警察に連行される事になってしまいます​​​​  パトカー

 

大人になったシャロンは、麻薬の売人になっていました 身体を鍛えあげ、見た目はタ

 

フな男になっていますが、それは昔の自分を隠す 鎧 のような物で、心の中は昔のまま

 

孤独でした、母親は施設に入りまともな人間になっていました 老いて許しを請う姿

 

を見た シャロンはそんな母を抱きしめ初めて許すのでした 

 

 

 

 

そんなある日、シャロンの元に幼なじみの ケヴィンから連絡が来ます あの事件のこ

 

とを謝りたい というケヴィンのもとへシャロンは車を走らせるのでした、、、cypha red DASH!

 

本作は貧しい少年 シャロンを軸に、黒人、親子関係、ネグレクト、ドラッグ、イジ

 

メ、疎外感、地域社会、そしてアイデンティティ と ゲイ という問題を自分の事のよ

 

うに体感させてくれる映画であります その語り口は本当に静かで、日常的な描写で

 

綴られています。

 

 

 

 

派手な演出が無い分、観る人によってかなり評価や印象が違ってくる作品なのは間違

 

いありません そういう私も一言で、素晴らしい!と言い切るには難しい映画であり

 

ました。 この作品が アカデミー賞を受賞する前年、黒人の団体、映画人から白人ば

 

かりがノミネートされているという種の抗議や、ボイコット等があり この年にはかな

 

りの部門で黒人のノミネートが増えた事に、ちょっと違和感を感じてしまった私がお

 

りました プラス 「ラ・ラ・ランド」の勢いが余りに凄かった為、ならば私は 「ムー

 

ンライト」にでも投票しようか、という票が無かったとも言い切れないのであります  

 

(カンヌの 戦メリ、楢山節考 問題を思い出します) と言って、これが不当な受賞か

 

と言うとそうではなく、前年のイザコザが逆に変な印象を与えてしまった事がとても

 

残念に思える私なのでありました 賞レースには付き物ですが、、、

 

 

 

 

話が逸れましたが、シャロンという人物を 幼年期、少年期、青年期 と3人の役者さん

 

が演じるという面白い構造になっています アフリカ人 特にフアンを演じた役者の方は 助演男

 

優賞 を受賞しましたが 父性 を感じさせる素敵な演技でございました ジャンキーの

 

母を、心のどこかで憎んでいたシャロン、唯一心を許せる存在で、父の影をフアンに

 

見ていたシャロン そんなフアンが、ドラッグのディーラーだった事を知った、彼の

 

失望感、、、シャロンという人物に、共鳴出来るかどうかが、この作品の大きなポイ

 

ントになるのではないでしょうか?もし時間と興味があれば、この「ムーンライト」 

 

と「ラ・ラ・ランド」 を併せてご覧頂くのも面白いかも知れません

 

 

 

 

ご自分の目で 目 、この真逆とも言える作品を見比べてみて下さいませです TV

 

美しい月明かりに照らし出される、少年のラストショットは 月 素敵でありまするぞ!  

 

では、また次回ですよ~! バイバイ