建築の仕事をしていると、たまにお客さんから言われることがあります。

 

建物の大小について

 

すごいね、こんな大きな建物を設計して、こんな変わった建物を設計して、とかね。

 

人って見たもののボリュームで判断することが多々あります。

 

自分たちから言うとね、大きくても小さくても、基本的な考え方は変わらない、ということです。

 

だってね、車で例えてさ、大型トラックと普通乗用車があって、そう思う人、いる?

 

確かに大きいものは圧倒されるけど、すごいの意味ってそれぞれあるからね😉

 

この業界では、よーくあることなんだけど、例えば大規模な建物を設計している設計者さんが、一般戸建の設計をする、そう、経験がない設計者もいます。

また、その逆も同様、戸建て住宅などばかりで、大規模建築や、他の用途の建築物の設計経験がない設計者もこれまた多くいます😶

 

大きな建物が設計出来ても、小さな建物の設計の経験がない、または少ない、だからそういう方に依頼をするとね、うちは住宅建築はやらないんですとか、言われることもあるんです。

 

その逆も同様ですよ。

 

大小でその人のスキルが分かるかというと、実際はちょっと違います。

 

小さな建物の代表としては、戸建て住宅、一見すると誰でも設計できる、そうなんちゃって建築士でもプランの絵だけ書けば、現場でなんとか納めてくれる。

 

納めるけどね、ある程度は、でも実際のスキルってただやったことがある、だけじゃダメなんです。

経験を積んで、その応用力、それが土台となるわけです。

 

何度も経験をしても、応用力がないと、みーんな同じようなものばかり、ちょっと的が外れた依頼は撃沈される、なんてこともあります。

 

住宅建築は難しい、以前お世話になった設計事務所のチーフから言われました。

 

もうね30年以上前ですけど、今だにそれを意識しています。

 

そのチーフは、色んなコンペで入選をされている、変態親父、デザイナー学校の非常勤講師もやっていました、それと同時に設計事務所のチーフの仕事もしていて、ほんと忙しい人でした😨

 

毎度、飲みに誘われて街を歩き回り、次の日はお昼から出社してもいいよって、すっごくいい上司でしたね、もちろん毎度の飲み代はおごりでしたけどね🤩

 

その人は、店舗や事務所ビル、すっごく小さくて細長いペンシルビルなんてのも結構得意でしたね。

 

工場の作業棟の設計の際は、工場らしくない何かね変なデザインで、身内はドン引きだったけどオーナーさんはウケたらしくOKだったこともあります。

 

でも、住宅建築を語り出すとね、やっぱり難しいと、建物の中で一番難しいとね😩

 

設計をするってのは、図面を書く、と言うところに難しさがあるだけじゃない、ドラフトマンは経験と時間を増やせば技術は上がる、でも考える人は何年かかっても技術が上がるわけではないと。

 

常にリセットして考えないといけない、だからね、都度が経験であり、その繰り返しだという。

 

そう、到達点がないということ、そして使う人がいて形は成り立つ、使う人の数を見てよ。

 

住宅はね、その人たちだけで完結されることが多い、だから依頼する人の数だけバリエーションがあるということ、人の数だけあるんだよって。

そして、人の考えは変わる、それにどれだけ対応出来て、納得できるか、だから時間もかかるしね。

 

考えることの難しさ、みなさん念願のマイホームを建てて、住んでみて感じることがいいところと、そうでないところが何となく感じるよね、失敗、成功、色々ある、でもどんなに煮詰めて時間を使っても、そう思うんです。

 

難しいってのは、常に変化するから、と、私は思っています。

 

もちろん仕事として使う建物と、自分たちがくつろぐ建物では、愛着も違うし、求めるものも違う、だから難しいんだよね😊