その人を想った時、その人は傍に居る。
呼べばいつでも会いに来れる。
誰かに聞いたのか、何かで読んだのか…。
記憶は定かではないが、確かにそうだと思う。
祖父の葬儀が終わり、ふと感じた何かの気配。
恐怖感は無い。
ほっとする様な気配。
「私は大丈夫。おばあちゃんの傍にいてあげて」
そう言うと、気配は無くなった。
祖父の家から、徐々に祖父の気配が無くなって行く。
今は、何の気配も無い。
淋しくて、祖父を想う。
微かに重くなる隣の空気に、温められる自分の心。
大丈夫。一人じゃない。
見えなくても、話せなくても、確かにここに居る。
同じ道を歩めば良かったと後悔している気持ちもあるけれど、
「お前の道を歩め」と言ってくれたのは祖父だから。
「お前が選んだ事なら、いつでも応援する」
幼い私に言ってくれた言葉。
誰よりも優しくて強い剣士は、龍になって上がって行った。
その日から変わって行った周りの環境。
喪失感に追い討ちもかけられた。
それでも、応援されていたんだと実感出来る日々。
きっと心配している。
でも、きっと笑っている。
だって、隣にいる気配はいつでも強くて優しいから。