その夜、僕は眠れなかった。

翌日になり、知らない顔をして仕事をしていた

本社から電話が掛かってきた。

僕にはその内容を聞かなくても解っていた

所長から連絡があり、本社に来るからと言う事と

その後に、営業所に行くとの連絡だった

会社は後、どうやってお金を回収するかを考えている

その為には、横領金額は多い方が嬉しいみたいだった

元々経営の苦しい会社だった為、

まとまったお金が入るのを経理部長は喜んでいた。

その為、僕たちには伝票のチェックと、

どこか他にないかと懸命に聞いてきた。

一生懸命に聞くのは当たり前なのだが、

僕には宝探しをしてるように見えた。

多分ここは見つけていないと思う心当たりが有ったが

とりあえず知らない事にしておいた。

そして急いでその日の営業を済ますために営業所を出た

夕方、営業所に戻ってきた僕の前には、本社の偉いさんを始め

所長が、和気あいあいと喋っていた。

僕には不思議な光景だった

「ただ今帰りました」

「所長が全額返金する事になった、だから会社も刑事告発は見送る」

そう、営業部長は言った。

「で所長は?」

「自主退社で退職金は出ないよ」

室長がひょうひょうと言った。

その地点で僕の何かが切れた

僕は、僕じゃない僕をさらけ出す瞬間だった。