今回のスキンケア連載は「ステロイド外用剤」について
外来でもステロイドを使うのはちょっと、、
とおっしゃる患者さんが一定数いらっしゃいます。
また、SNSでは「脱ステロイド」という言葉が飛び交い
目を覆うような皮膚炎が悪化した状態の写真を目にすることもあります。
ステロイドは何故、使いたくないですか?
と聞くとなんとなく怖いからとか、副作用が多いと聞いたとか
塗ると肌が黒くなると聞いたから
などどいう答えが返ってきますが
ほとんどが曖昧で漠然とした不安だということがわかります。
もちろん、毎日のスキンケアはとても大切で
汚れを落として保湿をするこの事が基本になります。
ただ、その中でどうしても皮膚にトラブルが起こってしまったら
しっかりと治療しなければならないのです。
特にアトピー性皮膚炎と診断された方は
ステロイド治療に不安や疑問を抱くことが多いでしょう
なので、以前もブログに書きましたが
今回はアトピー性皮膚炎とステロイドの関係
そしてステロイド外用剤は怖い薬なのかを改めてアップします。
アトピー性皮膚炎とは、皮膚が湿疹状になり、かゆくなる、
アトピー性皮膚炎と他の皮膚炎の大きな違いのひとつに、
一日単位ではなく、一ヶ月単位で治す病気であり、
さて、アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症をともないます。
多く頂いたご質問の中にもある「ステロイドは怖い」という先入観や噂から、
結論から申し上げますと、
アトピー性皮膚炎を火事に例えると、
まずは正しい消火活動です。炎が上がったら、
次に、間違った方法です。せっかく手元にある消火器を、
アトピー性皮膚炎は、初期の段階で根治(鎮火)することで、
ステロイドには多くの種類があり炎症が強い時には、それにあった強めのステロイドを塗り、症状がよくなれば徐々に弱いステロイドに変えていきます。同じものをずっと使うのではなく皮膚症状をその都度、主治医に診てもらい変えていくのが基本です。
ステロイドの副作用が怖いと思っている方の多くは内服薬と外用剤が同じだと思っているからだと思います。外用剤での副作用は毛嚢炎というニキビのようなものや、毛細血管の拡張、皮膚萎縮などで、これらも皮膚科医の正しい指導のもとで使用すれば最小限に抑えられます。
患者さんからの質問で「先生はお子さんにもステロイドを使いますか?」と聞かれる事があります。答えとしては、毎日、しっかりとしたスキンケアをする事がベースですが、万が一、炎症を伴うような皮膚症状が子供達にでるのであれば、スキンケアと併用して、ステロイドを正しい使用方法で使い、早めに炎症を改善するようにします。と答えています。
アトピー性皮膚炎だけではなく
バリア機能がまだまだ未熟な子供たちは
花粉やホコリが舞い飛ぶこの季節
謎の皮膚炎が起こることもあります。
基本はその原因物質の可能性が高い花粉やホコリをしっかり洗うこと
そしてバリア機能を補充するためにしっかりと保湿をして皮膚を覆ってあげる事
それでも赤みや痒みが起こるようなら迷わずに、皮膚科医を受診して
ステロイド治療を含めて、適切な治療を早めにしてあげてください。