連休中(毎日が日曜日の私には本当は関係ないけど)のお出かけ第一弾。

以前から一度、行ってみたいと思っていたイル・ヴォーロのコンサートに行きました。

場所は国際フォーラム ホールA。

 

素晴らしかったです。

 

選曲も日本人が知っていそうな、喜びそうな曲が多くて様々なジャンルからチョイスされていました。

たまに、私たちになじみがない曲でも耳を傾けてその美しい声をじっくりと聴くという楽しみ方ができました。

歌い方としてはオペラなんでしょうが、曲はカジュアル。

でも格調は高い、そして、彼らの人間性によるものなのか、ステージは親しみやすくてとても明るい雰囲気。

 

私がこのグループを知ったのは羽生結弦さんが彼らの曲「ノッテステラータ」を2016-17年シーズンのエキシビションナンバーとして使ったからです。

初めて聞いたとき、演技を見た時からその美しい世界観にしびれました。

日本での初コンサートは2017年の11月だそうですから、多分、羽生さんの影響力が大きいんじゃないかと思われます。

この曲はロシアのフィギュアスケートコーチのタチアナ・タラソワさんが羽生さんに是非、滑ってほしいと勧めたと聞いています。

ロシアがウクライナ侵攻を始めた後、タラソワさんは何だかトンチンカン(と思える)な怒り発言を繰り返して、イタイなぁという感じの存在になっていますが、このことだけは本当に感謝したい。よくぞ、この曲を羽生さんに勧めてくださいました。

 

「ノッテステラータ」は原曲はサンサーンスの動物の謝肉祭の「白鳥」ですが、中学生ぐらいの時に音楽の授業で習いました。

美しい曲なので記憶に残りました。

初めて聞いたときは「あら、これ、白鳥じゃない」と思ったはずなのですが、何度も聞くうちに、上書きされて、わたしのなかでは、今ではすっかり「ノッテステラータ」になっております。

 

イル・ヴォーロは何度も日本に来ているようで、もう固定ファンもいそうです。

イントロが流れただけで客席がちょっとざわめいた曲があったのですが「トル―ソ」という曲で、きっと、これが聴きたい思っていたファンの方々がいたのでしょうね。

わたしもプログラム(予定曲)の中にはなかったのに「オペラ座の怪人」を歌ってくれた時には、のどの奥の方で、声にはせずに、「ヒャーッ」と言ってました。

フィギュアスケートファンにはたまらん選曲です。

 

クライマックスで盛り上がった頃、なんと彼らは舞台から降りて客席の中を歩きながら歌う、という行動にでました。

「あぁぁ、そんなことをしたら・・・・」と思う間もなく、案の定、たちまち、お客さんに取り囲まれてお団子状態に。

打ち合わせがなかったのかどうか、わかりませんが、整備員?の人が慌てふためいてやってきてお客さんを引きはがし、両手で舞台に戻れのジェスチャーをしていました。

わたしの席は二階席の一列目で、この様子を楽しく拝見いたしました。

彼ら自身はなんだか楽しそうにみえました。

歌はもちろんバッチリ歌っていました。

サービス精神旺盛。

わたしは何となくイタリア人だなぁなんて思ったりしました。

 

最後に「観客の皆さんと写真が撮りたい」ということで、観客は皆立って、彼らは観客をバックに写真撮影。

これは最近、何かの公演ではよくあることで私は3回目。

近頃の流行りなんだろうか。

 

とても楽しくて素晴らしかったコンサートでしたが、一つだけ、これはどうかと思ったことがあります。

イル・ヴォーロには何の責任もありません。運営、もしくは建物の構造上の問題です。

コンサートが終わっての観客の退場ですが、一斉退場でした。

私は心の中で「えーっ、これだけの人が一斉に退場って大丈夫かなぁ」とやや不安に。

調べてみたら国際フォーラムホールAの収容人数は5千人超。

おそらく満席だったはず。

私は2階席でしたが4回、エスカレーターで登りました。1階席でも地上ではなく2回はエスカレーターで登ったはず。

このエスカレーターの数が少ないのです。ひとつのみ。もしかしたら反対側ににもひとつあったのかもしれませんが、それでも少ない。エレベーターの記憶がないので使えなかったのではないかと思います。

人が集中したら、ちょっと危険そう。

思った通り、大変な混雑になりました。2階席の人だけでエスカレーターはいっぱいいっぱいになり、1階席の人が途中から乗り込む隙はありません。しかし後ろからは押されるし、2階席からエスカレーターに乗っていた人はエスカレータからおりたくても人がいっぱいで降りるスペースがないしで、大変危なかったです。

係の若いお兄さん、お姉さんは

「エスカレーターは混雑して大変危険です!非常階段をお使いください!!」と一生懸命叫んでいましたが、多くの客の年齢層から言ってエスカレーター4回分の階段を下りるというのは、ややきびしかったのではないかと。階段を利用しようという人は多くなかったのではないかと思います。

何かの規制をしたのか、どこかの時点でなんとか落ち着きましたが。

 

大きな会場や、コロナが完全に落ち着く前に採用されていた、客席を区切っての時間差退場にすれば良かったのに…と思った事でした。

退出まで待ち時間がちょっと増えますが危険な思いをするよりは良いかと。

 

本来であれば帰途の時間も余韻を味わいながらの楽しい時間なのに、1階席からエスカレーターに乗ろうとして乗れず、後ろから押されて耐えながら不安そうにしてた年配の女性の表情が思い出されます。

何で楽しいコンサートに来て、そんな思いをせにゃいかん!ですよ。

是非、何とかしてほしい。

何ならエスカレーターの台数をふやしてくれたらいいんだけど。。

 

とかいいつつ、一度だけでも、思っていたコンサートですが、チャンスがあったら、また行っちゃおうかな。