そこは以前は同じファミレスでも和食系のレストランだった。
畳の個室があり、お正月でも元旦から営業していたので、年に一度、お正月に一族が集まるようなお墓参りの昼食によく利用していた。
かなり広い店内で座席数も多かったし、メニューの多様さに比べると店員さんの数は足りていなかったかもしれない。
なんとなく店員さんがピリピリしているような感じはあった。
小さな子供たちがキャッキャ、キャッキャ、走り回っているようなこともあった(我が家も同様)し、年配のお客さんも多かったように思う。
レジの周りには小さな子供たちの喜びそうな商品が並べられて売られていたりした。
コロナの影響や母の体調悪化などがあって我が家も何年か行かなくなっていたが、そこがガラリと変わってイタリアン系のファミレスになった。
友達とその近くに行く用があって、ランチはそこへ行ってみようということになった。
時間は11時半ぐらいでお昼には少し早いからすいているかな?と思ったのだが3組ほどがもう、順番待ちをしている。
ま、いいか、待とう、ということになって順番受付に行く。
私たちになじみのある紙に名前と人数を書くというタイプではなく、タッチ式のパネルであった。
もちろん人は出てこない。
人数とテーブル席にするかカウンター席にするかを入力する。
すると番号とQRコードの印刷された紙片がでてきた。
暫く待っていると壁に取り付けられた画面に番号が映し出され席の用意ができたとのアナウンスが入る。
先の紙片を持って受付機にQRコードをかざすと画面に店内案内図が映し出され該当の席が表示されている。
そしてテーブルナンバーとまたQRコードが印刷された紙片が出てくる。
それを持って該当のテーブルに向かう。
店内は和食のレストランだった時と同じでゆったりとしている。
しかし4人席で区切られているように見えたので大人数で集うのは無理かなぁと思った。
変わったのはドリンクバーが設置されたことぐらい。
メニューを見てあれかこれかを迷いながら決めた。
友達がピザもパスタも食べたいというので各一つずつ頼んでシェアすることに決めた。
注文もタッチパネル式である。
友達は「店員を呼ぶ」をタッチしている。
店員さんが3人ほどいるのが見えたので、店員さんにも頼めると思ったのだと思う。
しかし、やってきた若い女性の店員さんはタッチパネルの操作の仕方を教えてくれて立ち去ってしまった。
実は私はタッチパネル式の注文は初めてではないので友達に変わって注文の入力を続けた。
ちょっと迷ったのがドリンクバーの注文の際である。
フリーなのだから一人分を入れればいいんじゃないか?などとチラッと思ったのである。
しかし品行方正なわが友は指が止まった私を見て、「もう一人分、入れて」と促す。
ドリンクバー、220円である。
我ながら、みみっちいと思い、2人分いれる。
お料理を運んできてくれるのはロボットである。
もちろん取り出すのは自分でしなければならない。
取り出したら完了ボタンをタッチする。
すると「ありがとうございました、ゆっくりお過ごしください」などと言って立ち去るのである。
小さなピザを頼んだので、ちょっと物足りないね、ということでデザートも注文することにした。
デザートもロボット君がはこんできた。
友達は取り出すときに「はーい。ありがとう、ごくろうさま」などと言っている。
可笑しい。
これが、人間の店員さんになら言うだろうか?
でも、なんとなくその気持ちはわかるのである。
彼ら(ロボット)はそんなに、背が高くないので何だか可愛いし、何の雰囲気もかもしだすことなく、きちんと仕事をするのがけなげな感じがするのである。
おばさんはちょっと言葉をかけたくなってしまうのだ。
テーブルで会計するのボタンをタッチすると明細が画面に表示され合計金額もわかるようになっている。
テーブルナンバーとQRコードが印刷された紙片の方を持ってレジに向かう。
お会計ももちろんセルフレジである。
もうこれはスーパーやコンビニでスッカリおなじみである。
例の紙片のQRコードを画面にかざして支払いを済ませる。
最初から終わりまでほとんどセルフサービスであった。
人間の店員さんにお願いしたのはとりわけ用の小皿を持ってきてもらったことぐらい。
それから、店員さんも余裕があるのだろう、汚れた食器の取り下げのタイミングも良かった。
なんともストレスフリーであった。
ただただ残念なのが、ただ一つ。
あくまでも個人的な感想ですが、お味が・・・・・no good であった。
お値段は確かに安いと思うけど。
パスタのトマトクリームはなんだかボーンヤリした味だったし、ピザはもう少し具が多くても…と思う。デザートのチョコレートケーキはダダ甘く、添えられたわずかなスライスのオレンジが唯一の救い、と言った体である。
これならコンビニ、セブンイレブンの方がおいしいカモなどと私なんかは思う。
人口減少にともなって人的サービスが合理化されていくのは当たり前だと思う。
でも、もう少し高くてもいいから、美味しさの質は保ってほしいのよね。