京都へ行ってきました。

追想の旅です・・・なーんちゃって。

 

7月に亡くなった友達の葬儀の時に、ある方から聞きました。

まだ、意識がはっきりしていた頃だと思いますが、友達に

「今、行きたいとこはどこ?」とたずねたら彼女は

「京都。どこどこ(お料理屋さんの名前)でなになに膳(その料亭の看板メニュー)を食べて、翌日のお昼は湯豆腐・・・」と答えたと。

 

それは、かつて、亡くなった友達と、もう一人の友達と私と3人で忘年会と称して毎年出かけていた京都の旅のコースでした。

土曜日の朝早く出発し、翌日午後の早い時間の新幹線で帰ってくる。

見学場所は1、2箇所に絞り毎年の気分で変えていました。

ただホテルと一日目の夕食はその料亭で食べようと何となく決まっていました。

 

その葬儀の時、今年の12月に、また同じコースで出かけてみよう、とひらめくように思い、隣に座っていたもう一人の友達に声をかけたのでした。

 

私は2009年以降、母の介護生活が始まってから旅行へは一度も出かけていません。

残る二人は二人だけでしばらくその旅を続けていたようですが、それも彼女が病気で倒れた2016年以降は行けなくなりました。

ふたりとも凄いブランクがあるわけです。

2015年まで出かけていた友達はそうは思っていないようでしたが・・・・。

事前の準備はほぼ私がネットで手配し、ホテルも件のお店の予約も取れました。

 

しかし、京都に着いてからはそのブランクを感じることとなりました。

他の友達から、「京都?、凄く混んでるんじゃない?」と言われ、それは私たちも承知しているつもりでしたが・・・。

 

友達はまだ働いているので、日程を土・日から日・月にずらしてみました。

もしかしたら、それも裏目に出たのかも。

まず、荷物を預けようとしたらコインロッカーが空いていない。

友達は穴場の場所を知っている風でしたが、そこも、あえなく満杯。

私は久しぶりに京都駅に降りて思いましたが、京都駅には実に多くのロッカーが設置されています。

あっちにもこっちにも。

それでもどこも満杯。

しかたなくホテルに預かってもらおうとホテルに向かいました。

 ところで、翌日、ロッカーを使うことが出来て知ったのですが、今やコインロッカーの鍵も、紙に印刷されたQRコードなんですね。操作はタッチパネル式でLANGAGEで日本語を選ぶところからはじめなければなりません。

空きがあるかどうかは鍵がついているかどうかではなくて、各ロッカーに点っているランプの色で判断する、ということになります。空いているところはグリーン。一日目はオールレッドでした。

これは慣れていない高齢者にはハードル高し。

 

さて、ホテルですが、確か地下鉄の駅に近く、さほど歩かなかったと言う記憶がありました。しかし前をグングン歩いて行く友達。いっこうに止まる気配がありません。「ねぇ、こんなに歩いたっけ?」と声をかけました。友だちもおかしいと思っていたようで、違ってるかもと立ち止まりました。どうやら地下鉄の出口を間違えたようです。

スマホの地図アプリなども見てみましたが、普段、あまり使っていないので要領を得ません。アッチかコッチか、と駅周りをいろいろ歩いてやっとたどり着きました。

「おかしいわ。今まで一度も迷ったことないのに」と友達は言うのですが、私、思うに、それは亡くなった彼女がキッチリ、出口を把握していたせいではないか、と。

 

荷物を預けてお腹が空いたので何か食べようということになりました。しかし、この時間にあまり食べてしまうと、夜のご馳走が美味しく食べられないかも、何か軽食を、とお店をさがしたのですがこれまた、なかなか見つかりません。パフェ系のスイーツのお店はあるのですが、二人とも、これはチョッと、と気が進まず、結局、コンビニのイートインでサンドイッチとコーヒーということになりました。

そんなこんなで半端な時間になってしまい、予定を変更して、早めに夜のお料理屋さんのある場所にいくことにしました。

それは、嵐山です。

日曜日の嵐山。おまけに紅葉の見頃シーズン。

想像通りの混雑。海外からの観光客もみかけましたが、日本の若い人たちが多かったです。レンタルでしょうか、和服姿のカップルもみかけました。最近の流行なんでしょうかね、買食いというか、皆々手に串に指した食べ物や、ソフトクリームなんかを持って歩いている。そんなものを売っているお店も多く並んでいます。

かつては見なかった光景です。

こうなってしまうと、京都の嵐山だろうが鎌倉の小町通だろうが、あまり変わりはない感じ。

嵐山は若い頃から何度か来ているので、正直、特に行きたいと思う場所もなく、嵐電駅の近くをウロウロして時間を潰しました。

さすがに紅葉はきれいでした。直前にNHKの番組をみたのですが嵐山の自然を楽しもうと思ったら早朝に行くにかぎりますね。

 

夕御飯は昔と変わらず美味しかったです。これが今回のメインイベントだったので大満足。そしてお値段も以前と変わっていないように思えました。

 

翌日はホテルの朝食をいただきました。亡くなった友だちはこのホテルの朝食が気にいっていたのです。

そして駅で無事ロッカーに荷物をいれて「東寺」に向かいました。

 

近鉄「東寺駅」で降りて、何のへんてつもない通りを歩いていると、突然、あの五重の塔が眼に飛び込んでくる、というのは、なかなかインパクトがあり感動的でした。

この日はお天気も良くて、朝早かったせいか混雑はありませんでした。修学旅行生とともに説明を聞いたりして、ゆっくりと見学がたのしめました。

 

しっかりと朝食をとってしまうと、もう、昼には湯豆腐定食などはたべられず、湯豆腐は、なし、になりました。

うーん、昔はなんちゅうことなかったんだけどなぁ。

 

お土産も定番があり、友だちはその売場も覚えているということで行って見ましたがなくなっていました。しかし、今度はグーグル検索で新しい売場発見。行って見るとなんと行列しています。友だちによるとTVで紹介されたとかで、並んで無事に買うことができました。

 

(定番のお土産、阿闍梨餅)

 

行って見てわかりました。

あれは壮年の頃の旅だったなーと。老年となった今ではもう少し工程をかえなければ。ホテルもグレードアップしてゆったり過ごしたいなぁ。

 

道には迷ったし、寒かったし、混雑にもあったけど、やっぱり旅は良いなぁ。

日常生活からのミニ脱却で良い気分転換となりました。