いつも読ませていただいている、いくつかの韓国ドラマブログの中で前評判の高かった、韓国のドラマ「いつかの君に」を見ました。
この「時をかける愛」の韓国リメイク版です。
見終わった後、オリジナルの台湾版がアマゾンプライムで配信されているのを知って、「お、こっちも見てみるか」みたいな軽いノリで見始めたのですが、いやぁ面白かったです。
題名からわかる通り、ラブロマンスものなのですが、ただのラブロマンスではありませんでした。
恋愛ドラマにおいて必須なのは二人の間に横たわる障害ですね。
このドラマの場合、それは“時空”なのです。
そして、それだけじゃなくて時空を超えると、他人格の自分そっくりの人間が存在していて、自分がその身体のなかに入ってしまう、という設定。
身体は一つで人格は二つ、そして主人公たちは二つの時空(主に1998年と2019年)を行ったり来たりしながら、恋が育っていくという、ちょっとややこしく混乱します。
わたしは韓国版を見ている途中で、このストーリーの始まりはいつということになるんだろう?とふと疑問を抱きました。
ドラマの始まりでは、もうストーリーは始まっており、さりとて、ここから始めないと次には繋がっていかず・・・。
でも、元来、「まっ、いいか」で済ませられる大雑把なタイプなのでそのまま見続けました。
後で知ったのですが「メビウスの輪」がモチーフなんだそうです。
(メビウスの輪)
それであれば、“はじまり”がどこかわからなくて当然ですね。
ドラマの中でも「メビウスの輪」がさりげなく登場しています。二人がはめているリングとか、
キャンバスに描かれている絵とか。
こんなストーリーを考え出した方はどんな方なんでしょうか。
数学者さん?
韓国版ではドラマ全体の長さを短くしたこともありで、この時空関係はサラッと描かれていました。
が、さすがオリジナル、台湾版は実に緻密にカッチリと描かれていてわかりやすかったです。
もっとも、私が韓国版を見ていて、ある程度、予習できていたからかもしれません。
初めて見たら、きっと????なところ、満載だったかも。
ボーッとは見ていられませんでした。
台湾版は全26話と長くドラマ自体もとても丁寧に作られていると感じました。
でも冗長な感じはほとんど、なかったです。
この時空と二重人格という構造の上に作られたドラマもなかなか秀逸。
前半1998年はこの時代の主役の3人は高校生なんですが、この日常を描いた部分が、みずみずしく、ほほえましく、かわいくて、楽しい。
男の子2人に女の子1人の組み合わせ。
学園青春ドラマを見ているよう。
それが、一変します。
ここにサスペンス要素が加わり、思わぬ展開が続き、ドラマにグングンひきこまれました。
このドラマは台湾国内でいくつもの賞に輝いているようです。
社会現象的にヒットしたんだろうな、と思います。
主演女優(アリス・クー)さんは主演女優賞を獲得したようです。
確かにドラマ冒頭から印象に残ります。でも相手役を務めた男優(グレッグ・ハン)さんも素晴らしい。
彼は同一人物でも年代を演じ分けたりで4キャラクターぐらい演じているのですが見事に演じ分けています。その中のひとりでただ立ち姿だけでその人格を見事に表現しているのを見た時は思わずうなりました。
俳優さんてすごいなぁ。
私は台湾のドラマを見るのはこの作品が初めてです。
はじめてみる俳優さんたちも、長くドラマを見ているうちにすっかり、おなじみになり、最終回ではもう見れないのかと名残惜しいような気持ちになりました。
もし、彼らが出演する番組をこれからみられる機会があったら見てみようと思います。
この直前に見た韓国版「いつかの君に」はすっかり印象が薄れてしまいましたが、ただ一つ、ラストシーンの美しさは忘れられません。
おかしいだろう、とか、甘いだろう、とか言われようと(誰に?)断然好きです。
出来れば、このラストだけ生かして別の韓国ドラマを作ってほしい、と思うほど。
このラストシーンを見て、わたしは若い頃、読んでいたく感動した本を思い出し、思わずポチってしまいました。