「私の開放日誌」
ネットフリックスで去年の配信。
このドラマで去年、女心をわしづかみにして大ブレイクした男優さんがいるという。
もう、オババである私ですが、こういう話を聞くとやはり「えっ?どんな感じ?」と興味津々。
で、見てみました。
うん、ワカル。
まず役柄が魅力的。とても寡黙な男で仕事はかなりできそう。なんだか謎に満ちている。
第一話を見た時は、高倉健が思い浮かびました。(あくまでも個人的な感想です。)
しかし日本映画の健さんは裏街道を生きていても、どこまでも真っ当でカッコよく美意識のカタマリみたいだけど、韓国ドラマのこの男はかなり崩れている。
なんか、カッコいいように見えるけど壊れかかっている。
その凄いアンバランスさが魅力的なんですね。
演じたのは俳優、ソン・ソック。
しかし、役柄が魅力的なだけでは大ブレイクはしない。
やはり演じる俳優とその役の出逢いみたいなものがありますよね。
同じ役を別の俳優さんが演っても大ブレイクするとは限らない。
ソン・ソック、とてもチャーミングでした。
(ソン・ソック)
でも、それ以上にこのドラマを見て私が感じたのは「セリフ」の非凡さでした。
およそ日常生活で、こんなことは言わないよなぁというセリフが多い。
このドラマの中で言われた「崇めて」というセリフが韓国では流行ったようですが、言わないよなぁ、これ。普通。
日本の脚本家さんなら、まず、使わないだろうなぁと違和感持ちつつ、ドラマを見ました。
まぁ、日本で流行った「倍返し」もあんまり言わないけど。でも意味はわかりやすい。
しかし、慣れてくるとこのセリフの普通じゃない感じが実に良いんです。
登場人物が何をいうのかちょっと想像できない。
そして、見ているこっちに向かって刺さってくる。
とくに主人公、3兄弟(姉・弟・妹)のうちの妹。
彼女も寡黙で、そのせいで周りからは下に見られているんだけど、フリをしないで生きている。
幸福なふりをしない、不幸なふりもしない。ありのままの自分で生きようとする。
ふつう、人は何者かを演じて生きている、と思うんですが、その方が周りと摩擦が少なくて生き易いし。でも、時に欺瞞を感じることもある。
そこに彼女が吐くセリフはささってくるんです。
この女性も強くて非常に魅力的。
彼女を甘く見ている周りの俗な凡人たちは実はとても太刀打ちできない、と思う。
そこが痛快です。
(3兄弟の妹を演じた キム・ジウォン)
ちょっと分かりにくい、けど、個性的で良質なドラマでした。
文芸作品の様。
こんなセリフでドラマを構成する脚本家さんて、他のドラマはどうなんだろう。
いつもこんな感じなのかな?ほかのドラマも見て見たいな、と思って見たのが
「マイ・ディア・ミスター」でした。
ー その②に続く ー