「同じ時間の中にいても、お互いに異なる時間を生きていく2人の男女の時間離脱ロマンス。」
私は今までこの「番組情報」を、16話、21話という様な長いドラマをなんて要領よく、的確に
まとめるんだろうと、感心していた。
でも、今回のこれは???で、どういう事?という感じだった。
ドラマ全部を見終わっても、その感じはあまり変わらない。
でも、これが結構、効いていて、勘違いしながら見続けたのかもしれないな、とも思う。
このドラマの真骨頂は最終二話にある、といえる。
2人の男女だけの物語でもない。
ヒロインは不思議な時計を拾う。
時間が巻き戻せるのだ。時計を巻き戻すと少し前の時間に戻れる。
これで私は早くも映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的なお話かな?と思ったりしたが
違った。
あんまり、この技を使っていると人より早く成長してしまう。
何の本で読んだのかは忘れてしまったが、タイムトラベラーものであまり過去と現在を
行ったり来たりしているとかなり消耗してしまう、という概念は前にも読んだ事がある。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ではあまりそんな感じはなかったような気がするけど。
ヒロインは早く成長してしまうので、この時計を使わない様にしていた。
でも、あるとき、どうしても必要になって、何度も何度も繰り返し繰り返し、
時間を巻き戻してしまうのだ。
そして、朝、起きてみると25歳だったのに70才のお婆さんの姿になっていた。
家族や友達は何とか受け入れてくれたが、恋をし始めた恋人には気づいてもらえなかった。
ここで、私は、この時計がどうにかなって、2人の恋が進んでいくのかなー、なんて考えたのだが、ストーリーはどんどん思いがけない方向に展開していく。
なんだか、不思議なドラマだなーと思いながら見ていた。
この私の感覚は、中々、当たっていたともいえる。
私がこのドラマを見てみようと思ったのは出演者の中にナム・ジュヒョクの名前が
あったからだ。
彼が主演した前のドラマ『ハベクの新婦』でこの俳優さんがすっかり気に入ってしまった。
ちょっとバカバカしい様なお話だったんだけど、なぜか、心ひかれた。
今回のドラマでも良い味わいを出している。
カッコイイのに、不運な身の上の、とびきり優しい青年が、どこか寂し気な雰囲気を
醸し出す彼の容姿に似合っていた。
初めて見た時は元気で可愛い高校生の役だったから、演技力として身につけていった
のかもしれない。
次の作品ではどんな役が見られるか楽しみだ。
このドラマでは80年代の韓国が描かれている。
私はドラマで描かれるこの時代の韓国の風情がとても好き。
ナム・ジュヒョクは顔が小さく手足が長く、といったバリバリの現代の青年で
モデル出身だというが、この時代の韓国の青年の善良さみたいなものを体現している
ように感じた。
でも、繰り返すようだけど、彼が主役というわけでは無い、と思う。
副題にある「私たちの輝く時間」の私たちはドラマのヒロインとその相手の青年の事では無い。
今を生きる全ての人たち、である。
だから、私も、これを読んでくださっているあなたも含まれている。
ドラマのラストで老女のヒロインが静かに語りかける。
今を生きる人へのエールの様な言葉たち。
この感覚をいつか私も感じる事が出来るうだろう、と思う。
若しかしたら、かつて感じた瞬間もあったかもしれない。
生きていれば、誰もが感じる事が出来るのかもしれない、と思う。
ただ、すぐに、忘れてしまうだけだ。
70才のヒロイン 若い時代のヒロイン ヒロインの相手役 (キム・ヘジャ演 ) (ハン・ジミン演) (ナム・ジュヒョク演)
(画像は感謝してお借りしています。)