携帯越しに2人が見える。

昔から意識しなくても色んなことが目についたり聞こえてしまうタチではあるんだけど。

「にのどうしたの?」
「ん?別に」

でも楽屋という場で膝枕してるのはさすがに俺じゃなくても目につくと思う。

「なぁにリーダーと松潤がうらやましいの?」
そう言えばこの人も、何も考えてないような感じなのに俺のちょっとした機嫌とか変化とか、
今みたいに結構すぐ気付くよな。
「…なんでアレを羨ましがるのよ」

相葉さんは むふって笑うと耳元で
「あとで家でやってあげるよ」
だって。
だから膝枕したいわけじゃないっての。


「でもよかったよねぇあの2人。おれのアドバイスが効いたかなっ?」
「いや多分俺」
「おれでしょ!リーダーんちまで行ったんだから」
「いや絶対俺」

だって2人口説いて2人にフラれたのよ?
お互いの必要性みたいなものを分からせる為とは言え凹むだろ普通。
誤解されることも厭わず身を削ってよくやったよ俺。
…って今も潤くんには誤解されてると思うけど。
大野さんがわざわざ潤くんに「ニノに口説かれたんだよね」なんて言わないの信じてるし。
潤くんがわざわざ大野さんに「ニノよりお前選んだんだよ」なんて言わないの信じてるし。
我々20年の実績と信頼で成り立ってます。


「ねぇねぇところで松潤のプレゼントもう用意した?」
…でも荒療治が過ぎたかな。
万が一そんなことこの人に知られたらこっちの関係がまずくなる。
「いや…今年はどうしようかな」
「ダイニングチェアはないよねー」

潤くんにもネタばらししとこうかな。

「……じゃあさ、旅行なんてどう?」
いいこと思いついた。
「えぇ?この時期にそれはまずいんじゃない?」
「とりあえずよ。話しだけ。行くのは今年じゃなくてもいいじゃん。旅行券的なの渡してもいいし」
「え、おれら2人からってこと?」
「ウン」
俺らの関係も公なわけじゃないし、相葉さんはその不自然な提案に首を傾げてる。

「ダブルデートってことで2部屋取ってさ」
「ええっ!?おれたちのこと言うの!?」
「声でかいよ」
「や…別ににのがいいならいいんだけど…」
「だってあの人たちは公認で俺らは内緒ってのも変じゃない?」
「うんまぁ…」
「まだ何かある?」

相葉さんはちら、と隅っこで蕎麦をすする人を見る。
「いや…だってさ」
「何よ」
「そんなの翔ちゃんかわいそうじゃない!?」

そこ!?

「どうせなら5人で行こうよ!」

………話しは逸れるけど。




アナタのそういうとこ、好きだよ。







☆おしまい☆