ヘルシーなメニューをと思っていた昨日の夕飯は
強い酒とそれでも一応気を遣ったローカロリーなつまみという結果になった。
「………最悪」
そのままソファで寝落ちしてた。
「最っ悪」
2回同じことを吐き捨ててキッチンにグラスや食器を運んだ。
───ニノの、せいだ。
昨日ニノが変なこと言うから。
智やめてニノに乗り換えるなんてどういう修羅場よ。
『相葉さんから聞いたんだけど』
結局その内容は教えてくれないで。
もしかして相葉くんは智といい感じだからニノは俺を哀れんで口説くようなこと言ってんのかな。
なんてそんな最悪の事態しか想像できない。
じゃなきゃこのタイミングでこんなのおかしすぎる。
誕生日直前に浮気された男の慰め方なんて俺には分かんない。
これがニノの優しさなのか?
ああもう頭がぐちゃぐちゃ。
とりあえずシャワー浴びて明日の準備しよう。
携帯もサイレントにして、今は仕事に集中しよう。
時計を見ると0時を過ぎていた。
大人しくしていた携帯をタップすると0時丁度から怒涛のおめでとうLINEやメール。
でもその中に………
智の名前はなかった。
「はは…翔くんの言った通りとんだ37歳の始まりだな」
明日の資料をファイルに入れて…
「今日は飲まないでちゃんとベッドで寝よ」
誰に言うわけでもなく呟いた。
サプライズで今日こそ本人が登場、なんてないのかな。
日付変わったよ?
俺誕生日よ?
明日会えないんだから今この瞬間は一緒にいてくれてもよくない?
それとも今も相葉くんと一緒なの?
もう俺の誕生日だってことも忘れちゃった?
「…もーやだ。仕事モードのまま寝よ」
明日は昼からだったけど。
その前から出かけよ。
あ。久しぶりのジムなんてどうよ。
やな事も気になることも汗と一緒に流して午後からの仕事に備える!
なんか俺デキる男みたい!
37の俺。
いい感じのスタート切れる気がしてきた!