今日はニノと雑誌の取材。

相手が智じゃなくて良かったとホッとする…と思ったけど違うか。
智だったら否が応でも会わなきゃいけないし仕事用のツーショットとか対談とかしてたら
いつの間にか仲直り、なんてことになってたかもな…。
笑いながら「せっかくお前ん家行ったのに相葉くんと出てきたからびっくりしたよ」なんて素直に言えてたのかな。
いや…それは言えないか。

昨日も今日も、頭ん中で都合のいいことと最悪の事態の妄想でぐるぐるしてる。


「はよー」
いつものようにだるそうにニノが控え室に入ってきて。
いつものように椅子に腰掛けた瞬間バッグからゲームを…

…………出さずに。
「潤くんさ、アナタやっぱり大野さんと揉めてるでしょ」
唐突にそんな言葉を投げてきた。

「…別に揉めてるってほどのことじゃ」 
他人のそんなことに首を突っ込むタイプじゃないのに珍しい。
余程俺らは昨日空気悪くしてたのかな?
「……ふーん。もうすぐ誕生日なのに大変だね」

ニノはやっぱり興味なさそうにゲームを取り出した。




取材を終えてニノと別れ、CM撮影してから家に着くと19時になっていた。

「メシでも食いますか、ね」
独り言を呟いて冷凍庫からいつもの健康メニュー。
こんなときはヤケになって飲んでしまいたいけど誕生日直前。
当日高カロリーなものを摂るかもしれないから今は我慢我慢…と、ソファに放り投げていた携帯が鳴った。

「智!?」
慌てて掴むと表示されたのは『ニノ』。
昼間も会ったのに…なんだよ。

てか昨日も智を無視してたくせに俺も何期待してんだか……

「もしもし?」
『あー潤くん?今大丈夫?』
「大丈夫だけどどうしたの珍しい」
『いややっぱアナタたちのこと気になって』
「………それはどうも」
誕生日前は優しくしてくれるのかな。
それともそんなに周りから見てヤバそうなのかな。

『昨日相葉さんから聞いたんだけど』
「………相葉、くん?」
昨日智と会って、何か聞いたの?
1人じゃ抱えきれないような内容?

『なんか面倒くさそうだねアナタたち』
「え、相葉くん何言ってたの?」
『大野さんなんかやめてさ、俺にしちゃえばいいのに』
「えっ?何の話!?」
『俺怒らないし喧嘩しないし。基本受け身だからいいなりだし』
「え?え?相葉くんの話しどこ行ったの」
『背格好も大野さんと同じっちゃあ同じだし』

なんだなんだ急展開。
意味わかんない。

『何時になってもゲームして待ってるし』

智なんかやめろってどういうこと?
別れるってこと?
え、やっぱ相葉くんと浮気してたの?

『誕生日は俺と過ごしたらいいじゃない』