「はいコレ誕生日プレゼント!」

翔くんは超嬉しそうに、全然誕生日プレゼントっぽくない簡素な紙袋を部屋に入るなり俺の前に押し付けてきた。

「え、わぁもう?ありがと」
お祝いしてもらう立場でなんだけどとりあえず一息つきたいっていうか飲み物のひとつでも出してくんないかなーなんて。

「ねね、早く開けて開けて」
ぼすんとソファに座らされ、間髪入れずに翔くんも俺の横に距離感ZEROで詰めてくる。
いやその前になんか飲み物…

「喜ぶかなー?潤喜んでくれるかなー?」
「………何コレ」
袋を開けて目に飛び込んだのはフワフワの物体。
でもぬいぐるみとかじゃない、硬そうなフワフワ。

「絶対似合うから〜てか似合ってたから!」
「…………まじか」

取り出すとそれはカチューシャ。
それ自体も茶色のフワフワで覆われてて犬の耳が付いてる。

「インスタでやってもらったからそれで満足しようと思ったけどあんなの見たらやっぱ本物を、ってなるよね〜!」
「なんないよどういう趣味だよ!」

この前のインスタライブのやつか。
おかしいと思ったんだよアラフォー男子捕まえて一人一人に犬耳つけさせてさぁ…
狙いはこれか。
てか誕生日まで利用してなんなのこの人。
俺へのプレゼントじゃないじゃん完全に自分の願望じゃん!

「いいじゃんちょっとしてみてよ」
「待って待ってプレゼントこれだけ?マジで?」
「今日のとこはこれだけ!後日改めて♡」
「これだけの為に呼ばれたの俺?」
「お祝いする気持ちを貴方って人は…」
「え俺がおかしいの!?」

最早俺の上にのしかかる勢いでカチューシャ付けさせようとしてくる。
マジなんなのこの人!

「ほら可愛い!かぁ〜わぁ〜いぃ〜いぃぃ〜」
写メしていい?って俺の答えを聞く前にぴょんとソファから降りて携帯探してる。

37になって犬耳付けて何してんの俺。

「この前みたいにワンちゃんのポーズしてして」
「…地獄かよ」
でも素直に聞いちゃう俺。
手をグーにしてわんこのポーズ。

「やべぇマジ可愛い!シャッターが止まんない!」
「や、もうやめてよどんな罰ゲームよこれ」
「もうちょいそのまま!いや今日はずっとそのまま!」
「勘弁してよ俺の誕生日よ?」
「はい潤、お手」
「無視!?」
ニコニコといつまでも右手を出してるから。
「……………」
「いい子だね〜」
その上に、ちょこんとグーを乗せた。

「おかわり」
「……」
「ちゅー」
「…………」
ちゅ、と翔くんの頬に唇を触れさせた。

「…可愛い、マジで。マジで好き」
犬耳が邪魔なのか後頭部を撫でて。
「潤は?」
なんかずるい。
俺の誕生日なのに翔くんが一番喜んでるじゃん。

「……ワンちゃんだから喋れないの?」
「………」
「じゃあー……口にちゅーして」

なんかずるい。
翔くんのその、すんごい大切なものを見るみたいな目。
触り方。
喋り方。

抵抗する気なんて根こそぎなくなる。

「…ん、」
ちゅ、と唇を合わせたあと間髪入れずに押し倒して。
「じゅ」
すごいやらしく下唇を舐 めてやる。
犬だってしっぽ振りながら飼い主の顔とか舐めるよね?それだよ、それ。

「……っ、は」
次の指示は何?

………ソコに伏せ、しましょうか?









☆ハイッ。
と、いうわけでニノの次は翔さんでした〜(・∀・)
だいぶ時差ありますがこの↑ときの話しですけど。
ほんとあの時間なんだったん。

なんで潤くんときだけ翔さんも犬になったの。
これが目的だったの?
目的だったんですよね?
この子が見たくて(一緒に犬になりたくて)周り巻き込んだんですよねぇぇぇ!?!?

…失礼しました。
落ち着きますね。

いやー、ほんと私がファンになりたての頃には考えられなかった光景ですよ。
(ガチで翔潤て不仲なのかな…って思ってた時期あった。節穴でした)
それを経て徐々に歩み寄り、互いを意識し、
共に歩き共に探し共に笑い共に誓い共に感じ共に選び
共に泣き共に背負い共に抱き共に迷い共に築き共に願い
そんな日々を描いてきた翔潤をずっと好きでいて良かった…(途中完全にパクったな)

えー、では翔さん。
37歳の潤くんもよろしくお願いいたします❤️💜